サージ電圧|瞬時に発生する高電圧から機器を守る

サージ電圧

サージ電圧とは、瞬間的に発生する電圧の急激な上昇を指し、通常の動作範囲を超えた電圧のスパイクが発生する現象である。これにより、電子機器や電力機器が過電圧にさらされ、故障や損傷を引き起こすことがある。サージ電圧は、雷による誘導やスイッチング操作、電力供給の瞬時の変動など、さまざまな原因で発生する可能性があり、特に電力設備や通信設備、家電製品にとって深刻な問題となる。

原因

サージ電圧の主な原因は、外的要因と内部要因に分けられる。外的要因では雷や静電気放電(ESD)が代表的であり、雷による電磁波や直撃によって電力ラインにサージが生じることがある。また、機器内部でのスイッチング操作やリレーによる通電のオン・オフ、モーターの起動・停止時にもサージが発生する。これらの瞬時的な電圧変動は、回路の保護設計がない場合に機器の内部構造に深刻な損傷を与える可能性がある。

サージ電圧の影響

サージ電圧は、瞬間的な過電圧が機器に加わることで、内部回路や半導体素子の損傷や機器全体の誤動作を引き起こす原因となる。特に半導体素子やICチップは非常に敏感であり、サージによって破壊されることが多い。また、長期間にわたってサージ電圧にさらされると、部品の劣化が進み、最終的に故障を引き起こすことがある。

サージ電圧の種類

サージ電圧にはいくつかの種類があり、その形態に応じて対策方法が異なる。主なサージ電圧の種類は以下の通りである。

  • 雷サージ:雷の放電に伴う電磁誘導や直撃による高電圧
  • スイッチングサージ:機器や回路のオン・オフ操作により発生する電圧スパイク
  • 静電気サージ(ESD):人間や物体から放電される微弱な電流・電圧
  • 電力線サージ:電力供給の瞬間的な変動による過電圧

これらのサージに対しては、適切な保護回路や対策が必要となる。

サージ保護対策

サージ電圧を防ぐためには、適切な保護素子や回路を使用することが重要である。代表的なサージ保護素子としては、以下のものがある。

  • サージアレスタ:過電圧を感知し、電流を安全なレベルに制限する素子
  • TVSダイオード:瞬間的な高電圧を吸収して、回路を保護するダイオード
  • ガス放電管:過電圧を発生させるガスを使って電圧をクランプする素子
  • バリスタ:一定電圧を超えると導通して過電圧を吸収する素子

これらの素子は、通常動作時には無効であり、過電圧が発生した瞬間にだけ動作し、回路の保護を行う。

設計時の注意点

サージ保護回路を設計する際には、サージの発生頻度や強度、影響範囲を考慮する必要がある。例えば、雷サージを受ける可能性が高い場所では、雷サージに強い保護素子を選択する。また、サージに耐えられる部品や機器の選定も重要で、設計段階でのリスク評価やシミュレーションを行っておくことが推奨される。

高精度機器での対策

特に精密機器や半導体製造装置などでは、微小なサージでも製品に重大な影響を与える可能性があるため、サージ対策は非常に重要である。高精度機器の場合、サージ電圧に対する保護回路の選定はもちろん、適切なアース接続やシールド設計、さらに電力供給ラインへのサージ抑制装置の導入も行われる。