コンクリートフィニッシャ|高精度仕上げのための不可欠な機械

コンクリートフィニッシャ

コンクリートフィニッシャは、打設直後のコンクリート表面を均し、平坦性と緻密さを高めて所定の仕上げ品質を得るための機械である。現場ではスクリード、フロート、トロウェルといった段階的な仕上げ工程を機械化し、大面積の土間スラブや舗装版、工場床の施工効率と再現性を向上させる。アスファルトを敷均すフィニッシャとは用途と機構が異なり、コンクリートフィニッシャはセメントペーストのブリーディングや凝結の進行を見極めながら、適切なタイミングで表面を緻密化する点に特徴がある。

役割と作動原理

コンクリートフィニッシャの基本機能は、(1)打込み後の粗均し、(2)振動による初期の締固め補助、(3)フローティングによるレイタンス切り・目詰め、(4)トロウェリングによる表面緻密化と平滑化である。回転ブレードやパッドで表層をこすり、粗骨材の露出を抑えつつモルタル分を適度に引き出して平滑性を確保する。振動スクリードは直線的な振動で余剰ペーストを均し、ライドオン型トロウェルは反対回転の二重ローターで高い平坦性を実現する。

主な種類

  • 歩行型トロウェル:小〜中面積向け。機動性が高い。
  • ライドオン型トロウェル:大面積向け。二重ローターで高能率。
  • 振動スクリード:敷均しと初期仕上げを兼ねる直線工具。
  • トラススクリード:長スパン対応。橋梁床版や広幅スラブに適用。
  • レーザースクリード:レーザー基準で自動レベル制御し高い平坦性を確保。
  • 仕上げブリッジ(フィニッシングブリッジ):レール上を往復し面一に均す。

構成要素

  • 動力部(エンジン/電動モータ)と減速機、回転ローター
  • ブレード/フロートパン(ピッチ調整機構付き)
  • 振動ユニット(スクリード系)とレベル基準機構
  • 操作レバー、スロットル、非常停止、安全ガード
  • 散水・散布装置(薄膜養生材や表面硬化材の散布補助)

適用分野

  • 工場床・倉庫・物流センターの土間コンクリート
  • 屋外舗装スラブやヤード、PC製造ヤードの打設床
  • 商業施設の下地スラブ、駐車場スラブ
  • トンネル覆工や橋梁床版の面仕上げ(形状に応じて機種選定)

施工フローとタイミング

  1. 打設・粗均し:バイブレータで内部を締固めつつスクリードで表面を整える。
  2. ブリーディング待ち:遊離水が抜け、表面が艶消しになるのを待つ。
  3. フローティング:フロートパンでレイタンスを切り、微細空隙を詰める。
  4. 一次トロウェル:低ピッチ・低速で表面を押さえ平滑化を進める。
  5. 二次トロウェル:必要に応じ高ピッチ・高速で緻密な表面に仕上げる。
  6. 目地切り・養生:収縮ひび割れ抑制のための目地と早期の適切な養生。

品質管理と評価指標

仕上げ品質は平坦性、レベル精度、表面硬度、耐摩耗性、初期欠陥(ダスティング、ブリスター、ピンホール等)の有無で評価する。広面積床では平坦性の管理にF-number(FF/FL)などの指標が用いられることがある。水勾配が必要な舗装では基準面と基準線を厳密に維持し、スランプや骨材最大寸法、単位水量の設計値と施工時の温度・風速に留意する。

機種選定のポイント

  • 面積と工期:大面積・短工期ならライドオン型やレーザースクリードが有利。
  • 仕上げ要求:高い平坦性・鏡面レベルなら複数回のトロウェル工程を前提にする。
  • 動力源と環境:屋内は排気・騒音制約から電動や低排出型が適する。
  • 人員技能:ブレードのピッチや速度調整は作業者熟練度が品質に直結する。
  • 保守性:ブレード交換性、ベルト張り調整、ギアケース潤滑の容易さ。

安全衛生

  • 回転体ガードと非常停止の確実な機能確認。
  • 粉じん・騒音対策(保護眼鏡、耳栓、呼吸用保護具等のPPE)。
  • 屋内のエンジン機は換気と一酸化炭素対策を徹底。
  • 夜間は照明計画を併用し視認性を確保。

保守・点検と稼働率

  • 作業後の付着モルタル除去と防錆処置で劣化を抑制。
  • ベルト・チェーンの張り、ギアオイル、プラグ、フィルタの定期点検。
  • ブレード摩耗は平坦性低下や焼き付きの原因となるため早期交換。
  • 保管時はブレードを床から浮かせ、油脂で保護する。

関連機器と周辺技術

  • レーザーレベル・オートレベル:基準面の維持と高さ管理を支援。
  • コンクリートバイブレータ:内部品質を確保し仕上げの下地を整える。
  • 散水・膜養生材散布装置:初期乾燥収縮の抑制に有効。
  • 試験器具:スランプ、含水、表面硬度、平坦性測定の各種機器。

用語メモ

  • スクリード:敷均しと初期整形を行う直線工具または機械。
  • フロート:表層を軽く押さえ気泡とレイタンスを処理する工程。
  • トロウェル:回転ブレードで表面を緻密・平滑に仕上げる工程。

よくある不具合と対策

  • ダスティング:早すぎる仕上げや過度の表水混入が原因。適正タイミングと水加しの禁止。
  • ブリスター:閉じ込め空気で発生。ブリーディング完了前のトロウェルを避ける。
  • ひび割れ:急乾燥や収縮が主因。早期養生と適切な目地で抑制。
  • 表面ムラ:ブレード角と走行速度の不適合。試し当てで条件を最適化。

以上のように、コンクリートフィニッシャは材料性状と環境条件、そして仕上げタイミングの見極めが品質を左右する機械である。工程設計、機種選定、技能、品質管理、保守を一体で最適化することが、高い平坦性と耐久性を持つ床・舗装を安定的に実現する鍵となる。