エンドミル|丸棒の外周面および底面に切れ刃をもつ切削工具

エンドミル

エンドミル(End Mill)とは、丸棒の外周面および底面に切れ刃をもつ切削工具で、側面、段差、溝などを加工するための切れ刃である。エンドミルは底面と側面の両方が切れ刃になっており、刃のついていない側のシャンクをつかんで固定する。刃径は3~30が主流であるが、0.1や0.2といった極細のエンドミルもある。材質は高速度鋼(ハイス鋼) や超硬合金が一般的で金属、プラスチック、木材などを使用する。刃の側面はねじれており、刃数が2枚刃もしくは4枚刃のものが多い。

各部の名称

エンドミルの歯数

エンドミルの歯数は、2枚刃、3枚刃、4枚刃がある。歯数が少ないエンドミルは、切りくずの排出が良好な半面、工具の断面積が小さいため剛性が低下し、切削中にたわみを生じやすい。一方で、歯数が多いエンドミルは、工具の断面積が大きいため剛性は高くなるが、切りくずのつまりが生じやすい。

刃先の種類

先端の刃の形状でスクエアエンドミル、ラジアスエンドミル、ボールエンドミル、テーバエンドミルの4種類に分けられる。

スクエアエンドミル

スクエアエンドミルは、先端の形状が平坦なエンドミルでもっとも一般的に用いられる。溝削り輪郭削りなど水平面や垂直面の切削に用いられる。刃先のコーナー半径Rはついておらず、R0.1程度が目安である。

ラジアスエンドミル

ラジアスエンドミルは刃先のコーナー半径Rがついたエンドミルである。おおよそR0.1からR1.0の範囲で0.1mm単位で選択ができ積極的に隅Rをつけたいときに用いる。

ボールエンドミル

ボールエンドミルは先端が半球形状になったエンドミルで、3次元曲面の切削ができる。ボールエンドミルは、意図的に工作物の隅に半径をつけることで、ゆるやかな波状に加工できる。

テーパエンドミル

テーパエンドミルは、 先端に向かうほど刃径が徐々に細くなるテーパ形状になっているエンドミルである。工作物に勾配をつけたいときに使用する。主に金型の側面のテーパ加工(抜けやすくするためのテーパ)に使用する。

コーナーRカッター

コーナーRカッターは工作物の角のR加工をするための刃物である。

材質

材質は、高速度鋼(ハイス鋼) が主流である。より硬い材質の部材を削るために、超硬合金(超硬)や表面に窒化チタンなどの対摩耗性材料をコーティングしたエンドミルも使われる。

アップカットやダウンカット

刃物の回転方向でアップカットやダウンカットの区別が必要になる。どちらかをとるかで振動の有無や加工後の表面粗さや速度が異なる。フライス加工を参考のこと。

刃物の取り付け

エンドミルなどの小さな刃物はコレクトチャックで取り付ける。正面フライスなど大きな刃物の取り付けはアーバと呼ばれる治具に取り付け、アーバを主軸に取り付ける。マシニングセンタでは専用のツーリングを用いる。

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