ウォッシャプラント|砂・骨材の洗浄脱泥分級設備一式

ウォッシャプラント

ウォッシャプラントは、採石・砂利・鉱物資源などの骨材から微細な土砂、粘土、シルト、可溶性不純物を除去し、所定の粒度・清浄度・含水率に整えるための湿式処理設備である。一次破砕・二次破砕後に発生する微粒や粘土塊は製品品質を劣化させるため、洗浄・脱泥・脱水・水循環を統合する本設備の導入は、コンクリート骨材やアスファルト用骨材の規格適合、選鉱前処理、リサイクル骨材の高付加価値化に不可欠である。

定義と目的

ウォッシャプラントの主目的は、(1)泥分・可溶塩類の低減、(2)粒度分級の明確化、(3)薄片・粘土塊の破砕・剥離促進、(4)脱水による輸送性向上、(5)用水の循環による運転コストと排水負荷の低減である。目標は製品の含泥量、含水率、粒度分布、回収率、懸濁固形物濃度(SS)を所定範囲に収めることにある。

構成機器

一般的な構成は、受入ホッパ・フィーダ、湿式スクリーン、摩擦洗浄機(ログウォッシャ/アトリションセル)、スクリュー/スパイラル式分級機、ハイドロサイクロン、脱水スクリーン、シックナ、フィルタプレス、ポンプ・配管・薬注設備、循環水槽からなる。各機器は原料の粒度分布(d50/d90)、粘土分、処理量(t/h)、スラリー濃度、所要揚程に応じて選定する。

スクリーン

湿式バイブレーティングスクリーンは散水と組み合わせてふるい分けを行い、上網で粗粒を、下網で微粒スラリーを分離する。開口寸法、デッキ段数、ストローク・周波数が分離性能を左右する。

ログウォッシャ/アトリション

強い摩擦・せん断で粘土塊や粒子表面の付着物を剥離する。滞留時間、パドル角、固形分濃度が過剰破砕や不足洗浄を防ぐ鍵である。

分級・脱泥

スクリュー/スパイラル分級機は0.1〜1 mm程度の砂を重力で分級し、ハイドロサイクロンは圧力差により数10 µm〜数100 µmの微粒を切り分ける。目標カットサイズは供試PSDと製品規格から逆算する。

脱水設備

脱水スクリーンは高周波・高勾配で表面水を効率除去し、シックナとフィルタプレスは懸濁固形物を濃縮・ケーキ化して排出する。ポリマー凝集は溢流水の透視度改善に有効である。

プロセスフロー

典型フローは、受入→散水付一次スクリーン→ログウォッシャ→二次スクリーン→サイクロン分級→脱水スクリーン→製品ストック→回収スラリーはシックナ→フィルタプレス→回収水循環、である。前段破砕との負荷分担、バイパスライン、オーバーフロー回り込みを設け、原料変動に追従できる配管計画とする。

設計指標と計算

基幹指標は処理量Q(t/h)、スラリー固形分Cw(%), サイクロン供給圧ΔP(kPa)、揚程H(m)、ポンプ効率η、目標カットd50(µm)、製品含水率w(%)である。水収支は「原料含水+散水=製品含水+オーバーフロー+蒸発・飛散」で閉じ、固形分収支は各分岐に対する回収率Rで管理する。粒度分布はRosin–RammlerやLN整分布でフィットし、サイクロンのd50推算は流体物性(ρ, μ)、幾何、供給圧から近似する。

運用・保守

散水ノズルの目詰まり、スクリーンメッシュの摩耗破断、ログウォッシャのパドル摩耗、サイクロンの内張り摩耗は典型故障である。予防保全として差圧・電流値のトレンド監視、予備メッシュ・ライナの計画在庫、締結部の点検(例:ボルトの緩み)を日常点検に組み込む。薬注はpHとフロック形成を現場で迅速確認する。

品質管理と規格

骨材用途では微粒分含有量、洗い試験後のロス、粒形判定、含水率が合否を左右する。代表サンプリング、ふるい分け試験、含泥量試験、比表面積、SS/濁度のオンライン計測を組み合わせ、ロット毎に合格証明を発行する体制を整える。

安全・環境

高所足場、回転機器の巻き込まれ、スリップ、薬液皮膚接触、騒音・飛散水が主要リスクである。ロックアウト/タグアウト、カバー設置、防滑床、保護具の徹底、散水飛散の囲い込みを行う。排水はシックナ溢流の再利用を基本とし、放流時はSSとpH、濁度、油分の基準に適合させる。

適用事例と選定ポイント

ウォッシャプラントは山砂の塩分低減、砕砂の微粉調整、鉄鉱石・石炭の前処理、建設廃材の再生骨材化などに用いられる。選定では原料の粘土分・可溶塩、粒形要求、必要t/hと稼働率、用水確保と回収率、設置スペース、薬注・脱水の運転費を総合評価する。原料変動が大きい現場では、メッシュ・圧力・滞留時間を可変にできるフレキシブルな設計が望ましい。

指標値の目安

  • 骨材用:微粒分含有量≲1–3%、製品含水率≲10–15%、SS(循環水)≲100–300 mg/L

  • サイクロン:供給圧50–150 kPa、ベンダー比やスピゴット径でd50を微調整

  • 脱水スクリーン:表面水の迅速除去、モジュールメッシュで保全性確保

導入・改善のコツ

試験洗浄でPSDと泥分の前後差を可視化し、ボトルネックを特定する。ウォッシャプラント全体の水・固形分収支を月次で棚卸し、回収率と薬剤使用量をKPI化する。メンテナンスは稼働時間基準に加え状態基準(振動・温度・電流)を併用し、摩耗部の予知保全で計画停止に集約する。