議決権行使助言会社
議決権行使助言会社(Proxy Advisory Firms)は、株主総会における議決権の行使に関する助言を提供する企業である。これらの会社は、機関投資家や大規模な株主に対し、株主総会での議案についての分析や投票勧告を行う。その目的は、投資家が適切な判断を行い、企業ガバナンスの向上に寄与することである。
役割と機能
議決権行使助言会社は、企業の年次総会や特別総会で取り上げられる議案を分析し、それに対する投票勧告を行う。主に取締役選任、報酬制度、企業の合併・買収、株主提案などが対象である。これにより、投資家は各議案の賛否について十分な情報に基づいて判断できる。また、助言会社は企業ガバナンスに関する研究や報告書の作成も行い、市場全体の透明性向上にも寄与している。
主要企業
議決権行使助言会社の中でも、代表的な企業としては、米国のInstitutional Shareholder Services (ISS)やGlass Lewisが挙げられる。これらの企業は、世界中の機関投資家に対して助言を提供しており、議決権行使における影響力が非常に大きい。また、他にも地域特化型の助言会社が存在し、各国の市場における特有の規制や文化に対応したサービスを提供している。
規制と批判
議決権行使助言会社は、その影響力の大きさから規制の対象となることがある。特に、利益相反の問題や、助言が必ずしも投資家の利益に沿ったものでない場合があるとの批判がなされることがある。これに対して、各国の規制当局は透明性の向上や利益相反の開示を求める規制を導入している。また、助言会社自身も内部ガバナンスの強化や独立性の確保に努めている。
市場への影響
議決権行使助言会社の存在は、企業ガバナンスの向上に寄与する一方で、助言に従った一律の投票行動が、企業の個別事情を無視した結果を招く可能性があるとの懸念もある。しかしながら、助言会社の分析や勧告は、多くの投資家にとって有益な情報源であり、特に多数の企業に投資している機関投資家にとっては