複合材料の製造方法
複合材料はその種類に応じて、さまざまな製造法がある。ハンドレイアップ法、オートクレーブ法、フィラメントワインディング法などに代表される。
ハンドレイアップ法
ハンドレイアップ法は、手積み積層成形法といい、ガラス繊維と樹脂を交互に手作業で積み上げていく方法である。FRPの基本的な成形法である。作業を進めるにあたっては、樹脂の臭いがきついため、マスクをして行う。また、層状にしていくときには、層間剥離の発生を防ぐため、層間に空気が入らないようにする必要がある。この方法は、大型の製品、少量生産の製品、寸法精度の緩やかな製品、形状の複雑な製品などの成形に適する。
オートクレーブ法
オートクレーブ法は、高精度が要求される複合材料の場合に用いる方法であり、半硬化状の薄いシートであるプリプレグを必要な枚数だけ重ねて、オートクレーブとよばれる炉で温度、圧力、真空状態などを制御しながら、成形をする方法である。航空宇宙分野をはじめ、現在では自動車や船舶、建設、スポーツなどの分野で用いられる大型で複雑な三次元形状の製品成形に利用されている。
フィラメントワインディング法
フィラメントワインディング法では、糸巻きに糸を巻き付けるようにして、圧力容器や各種のパイプ、シャフト、釣ざお、棒高跳びのポールなどのような管状製品を成形する方法である。張力を加えて成形するため、できあがった製品の繊維含有率が高く、機械的性質にも優れる。また、大型製品の大量生産にも適している。