理論理性|カント

理論理性

理論理性とは、対象を認識する先験的な能力で主にカント哲学の用語として使われる。理論理性に対し、善を実践しようとする道徳的な意志能力を実践理性という。

理性

理性

悟性

カントは認識するとき、人間は感性に与えられた多様な直感的印象を持つ。その直感的印象に対し、カテゴリー(思考の形式)をあてはめて一定の対象を構成する。これを悟性と呼び、悟性が構成した個々の対象を全体像(理念)に統一する働きを理性と呼んだ。

理念(イデー)

理念(イデー)には、思考作用を統一する主体としての霊魂(心)、原因と結果の系列の全体的な統一としての世界、すべての対象の統一としての神の三つがあり、理性はこれらの理念のもとに対象を包摂して全体像を統一しようとする。しかし、理念そのものは一つの対象とはならず、対象の統一のために経験世界の限界をこえて理論的に要請されたものであるから、カントは魂・世界・神の理念を実在するものと考えると誤謬が生まれ、哲学は独断におちいると警告した。

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