引受シ団|複数の金融機関が共同で新規発行証券の引受を行う

引受シ団

引受シ団(ひきうけしだん)とは、新規に発行される株式や債券などの有価証券の引受業務を複数の金融機関が共同で行うために結成される組織のことを指す。引受シ団は、発行者に対して資金調達を確実にするための体制を整え、リスクを複数の引受機関で分担することで、市場での証券の販売を円滑に進める役割を果たす。

引受シ団の仕組み

引受シ団は、1つの証券を大規模に発行する際に、複数の金融機関が参加し、共同でその証券を引き受ける体制を構築する。この体制により、発行者は大規模な資金調達が可能となり、各引受機関は引受リスクを分散できる。通常、1つの主要な証券会社(幹事会社)が中心となってシ団を結成し、他の金融機関と協力して引受業務を進める。

引受シ団の目的

引受シ団の主な目的は、発行者が効率的に大規模な資金調達を行うことを支援することである。1社で引き受けるのが難しいほど大きな発行額の場合、複数の引受機関が協力してリスクを分散することで、発行者は安定的な資金調達を行うことができる。また、複数の引受機関が市場に販売活動を行うことで、証券の売れ残りを防ぐ効果もある。

引受シ団の構成

引受シ団は、以下のような構成で組織される:

  • 幹事会社:引受シ団の中心的な役割を担う金融機関で、発行者との交渉、価格決定、市場での販売戦略の立案を行う。幹事会社は、引受シ団の他のメンバーを取りまとめる役割も果たす。
  • 引受会社:幹事会社と共に証券の引き受けを行い、市場での販売活動を進める。引受シ団に参加する引受会社は、幹事会社と協力してリスクを分担しながら販売に貢献する。

引受シ団のメリット

引受シ団には以下のメリットがある:

  • リスク分散:大規模な資金調達において、複数の引受機関がリスクを分散することで、発行者や引受機関が抱えるリスクを軽減できる。
  • 販売力の強化:複数の金融機関が協力して販売活動を行うことで、広範囲にわたる投資家層にアプローチでき、証券の売れ残りを防ぐ効果が期待できる。
  • 発行者の信頼性向上:複数の金融機関が引受に参加することで、発行者に対する市場の信頼性が向上し、より良い条件で資金調達が可能となる。

引受シ団のデメリット

一方、引受シ団には以下のデメリットも存在する:

  • 引受手数料の負担:発行者は複数の引受機関に手数料を支払う必要があり、特に幹事会社の役割が大きい場合、手数料が高額になる可能性がある。
  • 調整の複雑さ:複数の引受機関が関与するため、販売活動や価格決定における調整が複雑になる場合がある。

引受シ団と資金調達の関係

引受シ団は、大規模な株式公開(IPO)や社債発行など、重要な資金調達の場面で活用されることが多い。引受シ団の協力により、発行者は大規模な資金調達をスムーズに進めることができ、引受機関にとっては、複数の市場に対する販売活動やリスク管理が可能となる。

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