引け成
引け成(ひけなり)とは、株式市場や商品市場において、取引終了時(引け)に市場で形成される終値で売買を成立させる成行注文のことを指す。引け成注文は、特定の価格ではなく、取引終了時の市場価格で取引を成立させたい場合に使用される。終値で確実に売買を行うため、日中の価格変動に左右されず、最終的な市場評価に基づいて取引を完了させる手段となる。
引け成の特徴
引け成注文は、成行注文の一種であるため、価格指定はなく、取引終了時の終値で自動的に売買が成立する。これは、日中の取引の中で価格変動があったとしても、最終的な市場価格で確実に取引を成立させたい場合に有効である。特に、終値が重要な取引戦略や分析において、引け成注文は便利な方法である。
引け成の使い方
引け成注文は、特に終値に基づいた取引を行いたいときに使われる。例えば、特定の投資戦略やポートフォリオ調整において、その日の最終的な市場価格で取引を完了させることが目的である場合、引け成注文は有効である。投資家は、日中の価格変動に惑わされることなく、終値に基づいた取引を確実に実行できる。
引け成のメリット
引け成注文の主なメリットは、取引が確実に終値で成立する点である。これにより、取引終了時に市場の最終的な評価が反映された価格での取引が保証され、投資家は予期せぬ価格変動に対応する必要がない。また、特定の価格で売買するよりも、流動性が高い場合には、スムーズに取引を行うことができる。
引け成のリスク
引け成注文にはリスクも存在する。特に、取引終了時に大きな価格変動が生じた場合、予想していた価格とは大きく異なる価格で取引が成立する可能性がある。また、引け成注文は成行注文のため、価格を指定できず、市場の動きに任せる形となる。このため、引け成注文を利用する際は、市場の流動性や終値に対する予測を十分に考慮する必要がある。
引け成と引け指し値の違い
引け成と引け指し値は、いずれも取引終了時の価格を狙った注文方法であるが、引け成は成行注文であるのに対して、引け指し値は特定の価格を指定して注文する点が異なる。引け成は、終値で確実に取引を成立させることを目的としているため、価格指定はできない。一方、引け指し値は、指定した価格が終値と一致しない場合、取引が成立しない可能性がある。