平行ピン|2つの部品の位置を正確に出す

平行ピン

平行ピンとは、2つの部品の位置を正確に出すための機械要素で、一方の部品に平行ピンを打ち込み、他方の部品をそこにはめ込むことで位置決めを行う。組立精度が求められ、効率もよくなる。はめあいはF8h8が多い。

用途と機能

平行ピンは、二つ以上の部品を正確に組み立てたり、再現性の高い分解・組立てを行うために使用される。たとえば、金型や治具、機械フレームなどで、ボルトだけでは実現できない高精度の位置決めに寄与する。また、回転方向のずれを防ぐトルク伝達補助の役割を果たす場合もある。

材質と表面処理

平行ピンの材質には、炭素鋼合金鋼ステンレス鋼が多く用いられる。特に摩耗や腐食が懸念される環境では、ステンレス鋼や窒化処理・硬質クロムメッキなどの表面処理が施されたものが選ばれる。これにより耐久性が向上し、長期間の使用に耐える。

圧入とすきま

平行ピンは基本的に圧入して使用される。ピンの直径よりもやや小さな穴に打ち込むことで、高い保持力が得られる。一方で、分解・再利用を前提とする場合はすきまを設け、スムーズな脱着を可能にする。

テーパーピンとの違い

しばしば比較されるのがテーパーピンである。テーパーピンは軸方向に微細な傾斜を持つのに対し、平行ピンは全長にわたり直径が一定である。これにより、平行ピンは大量生産品の組み立てや、繰り返しの使用が前提となる構造物に適している。

はめあい

平行ピンは厳しい公差ではめあいを行う。加工工場では、F8公差リーマを所持しているところが多く、はめあいは、打ち込みピンにしっくり合わせるF8h8が適用できる。

穴加工

2つの穴は部品を組み立てて位置を出し、共加工で下穴を開け、個別にリーマ加工する。

エア抜き

ピンには空気が溜まるため、それを抜くためのエア抜き(エアベント)溝つきのものがある。エア抜きがないものは、空気が圧縮して入りにくくなったり、また溜まった空気が熱で膨張したときに問題を起こすことがある。

挿入と抜き取りの方法

平行ピンの挿入には通常、ハンマや圧入機が用いられる。適正な穴径を保持しつつ、変形を避けて挿入することが重要である。抜き取りには専用のピンポンチやプーラーが使用され、機械や部品を損傷させないように慎重に行われる。

使用上の注意点

平行ピンを使用する際には、穴の寸法精度、表面粗さ、材料の硬度に注意する必要がある。不適切な圧入はピンや部品を損傷させる原因となり、精度を損なう。挿入後の脱落防止のため、ピン穴には適切な干渉を設けることが推奨される。

形状と規格

平行ピンはJIS B 1351などの工業規格に基づき製造されており、外径と長さの寸法が標準化されている。形状は円筒形で、先端が面取りされたものも多く、挿入時の傷つきを防止する。一般的な呼び径はφ1mmからφ20mm程度まであり、用途に応じた長さが用意されている。下記ではその参考寸法を記載したが、詳細はJISやメーカーカタログを確認すること。

平行ピンの形状と寸法

呼び径 0.6 0.8 1 1.2 1.5 2 2.5 3 4 5 6 8 10 12 16 20 25 30 40 50
d
公差域クラス
m6またはh8
0.6 f 1 1.2 1.5 2 2.5 3 4 5 6 8 10 12 16 20 25 30 40 50
c
0.12 0.16 0.2 0.25 0.3 0.35 0.4 0.5 0.63 0.8 1.2 1.6 2 2.5 3 3.5 4 5 6.3 8
3
4
5
6
8
10
12
14
16
18
20
22
24
26
28
30
32
35
40
45
50
55
60
65
70
75
80
85
95
100
120
140
160
180
200
呼び径 0.6 0.8 1 1.2 1.5 2 2.5 3 4 5 6 8 10 12 16 20 25 30 40 50

2-200は呼び長さlの寸法である。
dの公差域クラスm6およびh8は、JIS B 0401-2による。
なお、受渡当事者間の協定によって、他の公差域クラスを用いることができる。