尊属|直系上位の血縁者

尊属

尊属とは、法的な文脈において、自分よりも上の世代にあたる血縁関係の人々を指す言葉である。具体的には、父母、祖父母、曾祖父母などの直系尊属がこれに該当する。尊属という概念は、特に相続法や親族法の分野で重要な役割を果たしており、法的な責任や権利が世代間でどのように引き継がれるかを理解するために必要である。

尊属の法的意義

尊属の概念は、日本の法律において、親族関係や相続に関する権利義務の判断基準となる。例えば、尊属からの相続においては、尊属の範囲が定められており、その範囲内で財産の分配や相続税の計算が行われる。また、親権や扶養義務に関する法律にも、尊属という概念が関与してくる場合がある。

尊属と非尊属

尊属に対して、自己よりも下の世代にあたる子や孫などを「卑属」と呼ぶ。尊属と卑属の関係は、親族間での扶養義務や相続の際の優先順位を決定する際に重要である。例えば、直系尊属である祖父母が存命であれば、彼らは卑属に対して扶養義務を負うことがある。

尊属殺と法改正

かつて、日本の刑法において尊属殺(尊属に対する殺人)は、他の殺人罪に比べて重い罰が科されていた。しかし、1973年にこの規定は憲法違反として廃止された。これにより、尊属に対する犯罪行為も、その他の親族に対する犯罪と同等の扱いを受けることとなった。

タイトルとURLをコピーしました