坂口安吾|昭和の小説家・文学者,堕落論

坂口安吾

坂口安吾は昭和の小説家・文学者。第二次世界人戦の敗戦後、それまでの権威や価値観が急激に崩れ、人々は、新しい秩序を求めながら、生きていくための価値観を探し求めた。こうした時代の道徳的な頽廃を見た坂口安吾は、『堕落論』で人間が人問本来の姿に戻ることを逆説的に「堕落」と表現した上で極限状況で生に向かった時に新しい倫理が生まれるとし、混迷する戦後の道徳に示唆を与えた。

目次

坂口安吾の生涯

坂口安吾は、新潟の大地主の家に生まれた。父は県会議長、のちに衆議院議員をつとめ、漢詩にも通じていた。中学に進学したが、家庭の複雑さもあって奔放・孤独な日常をおくり中退、仏教を学ぼうと1926(昭和1)年、東洋大学哲学科に入学した。交流のあった芥川龍之介の自殺に衝撃を受け、精神的に不安定となるが、アテネ=フランセで学ぶうちに小説家を志した。大学卒業後、同人誌を創刊、創作を始めて新進作家となった。やがて物心ともに苦しい生活の中で、「突きつめた極点で生きることに向かったとき、そこから新しい倫理が発足する」と説くなど、鋭い評論を発表した。

無頼派

戦後の混迷した世相に出発点をみる『堕落論』は、人間が人間本来の姿に戻ることを「堕落」と呼んでベストセラーとなり、太宰治らとともに「無頼派」と呼ばれた。作品は多彩で、独特の視点からの文明批評も有名である。


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