万能人(普遍人) uomo universale
万能人とは、ルネサンスの理想の人間像で、芸術・技術・科学など、あらゆる分野で才能を発揮する人を指す。人間の主体性を尊重する精神から、自己の才能を多様な方向に無限に発揮する人間が求められる。たとえばさまざまな芸術作品で偉業を成し遂げた、レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロなどがその典型であるといえよう。人間の能力を最大限に発揮し、身体と精神の美しい調和をそなえた完全な人間像で、そこには、努力と才能によって人間は普遍的・神的な存在にまで到達できる。
スイスの歴史学者ブルクハルト
人間の能力を最大限引き出し、身体と精神の美しい調和をそなえた理想的な人間であるが、この背景としては、ルネサンスの人々が万能人を目指すことによって普遍的な・神的な存在にまで到達できるどろうと考えたことが示唆される。ただし、当時、万能人(uomo universale)という言葉はなく、スイスの歴史学者ブルクハルトがルネサンスの特徴としてあげたことから、ルネサンスの特色として広く使われるようになった。