ライセンスランプ|番号灯の法規・配光・明るさ要件

ライセンスランプ

ライセンスランプは自動車の後部ナンバープレートを夜間や薄暮時に照明し、登録番号を第三者に判読可能にするための照明装置である。多くの法規において必須装備とされ、点灯状態・照度・色・照射範囲に関する要求が定義されている。車体設計ではリアゲートやリアバンパーの意匠に統合され、光学設計・耐候設計・防水設計・電装設計の観点から最適化が行われる。

役割と法的要件

ライセンスランプの一次的役割は、車両後面の識別性を確保し、登録番号の判読性を担保することである。日本の「道路運送車両の保安基準」をはじめとする各法規では、夜間においてプレート全面が均一に照らされること、照明色は白色であること、まぶしさ(グレア)を抑制すること等が求められる。一般に、走行中に後続車の位置から番号が容易に読める配光が必要で、光度が過剰または不足の場合は不適合となりうる。

構造と種類

  • バルブ式:ウェッジ球などの小型白熱電球を用いる従来構造。ランプハウジング内で反射器とレンズにより配光を形成する。
  • LEDモジュール式:高効率LEDと拡散レンズを組み合わせた現行主流。低消費電力・長寿命で、薄型意匠に適する。
  • 一体化タイプ:リアガーニッシュやバックドアハンドルに組み込む設計。取付工数と外観一体感に優れる。

いずれの方式でも、防水・防塵性能、耐振動、温度上昇、レンズの耐候性(黄変・クラック)等の要求を満たす必要がある。LED式では定電流駆動と熱設計が信頼性の鍵となる。

配光・照度・色の要点

プレート全面に均一な照度を与えるため、レンズ表面のプリズム形状や拡散パターンで配光を整える。規格は「白色(無彩色)」を求め、周辺部で過度な明暗ムラやホットスポットを生じないことが重視される。LED採用時は色度のばらつき管理(ビン管理)が重要で、左右2灯構成では両側の色味一致が品質感に直結する。

取付位置・角度と視認性

ライセンスランプはプレート上方または側方から照射し、プレート全面を覆う照射角が求められる。外板干渉・バックドア開閉・衝突後修理性を考慮し、取付ブラケットは剛性と整備性を両立する。車両後方からの直接眩惑を避けるため、遮光リブやカットオフ形状を設け、必要に応じて角度を微調整する。

電装・配線・コネクタ

点灯制御はテールランプ回路と連動するのが一般的で、スモール点灯時に作動する。ハーネスはリアゲート屈曲部を通過する場合があり、屈曲寿命・防水グロメット・コルゲート保護など耐久設計が必要となる。LED式では極性、逆接保護、サージ対策、ノイズ放射(EMI)の抑制を考慮する。

耐環境性と材料選定

レンズ材には耐候グレードのPC(ポリカーボネート)やPMMAが用いられ、UVコートで黄変・微細クラックを抑制する。ハウジングはPBTやPAなどのエンジニアリングプラスチックを用い、熱サイクル・防水(IP相当)・塩水噴霧・薬品耐性試験を経て適合性を確認する。パッキンはシール性と圧縮永久歪みのバランスが重要である。

保守・点検・交換

定期点検では点灯有無、照度ムラ、レンズの白濁・破損、滲水痕を確認する。バルブ式は球切れが発生しやすく、規格適合の予備バルブで交換する。LED式はユニット交換となるケースが多く、車検適合の認証品を用いることが望ましい。DIY交換時は極性・サイズ・防水再シールに留意する。

LED化・カスタム時の注意

社外LEDへの交換では、色度が白色域から外れた青白すぎる発光や過度な光度により不適合となる恐れがある。CAN系監視車では球切れ警告やフリッカを生じる場合があり、適合する抵抗内蔵タイプや車種別設計品を選ぶべきである。

関連部品との関係

ライセンスランプはリアコンビランプやバックランプ、ハイマウントストップランプとともに後方の視認性を構成する。外板・ガーニッシュ設計、ワイヤハーネス、防水部品、バックカメラ周辺の光害対策(逆入射・フレア抑制)など、多部門横断での整合が必要となる。

規格・認証と試験

国連ECE規則(例:番号灯関連)、各国の保安基準、メーカー社内規格に基づく試験が行われる。光学(配光・照度・色度)に加え、耐振・熱衝撃・湿熱・塩害・洗車圧水・電気的ストレスなどの評価を経て量産適用する。認証刻印や品番表示はアフターサービスの同定にも有用である。

用語:ナンバー灯/ナンバープレートランプ

ライセンスランプは「ナンバー灯」「ナンバープレートランプ」などとも呼ばれるが、いずれも登録番号を照明する同一機能を指す。取扱説明書や部品表では呼称が異なる場合があるため、部品発注時は車台番号と部品番号で照合する。

典型的な不具合例

  • 接触不良:端子腐食やカプラ緩みで断続点灯を生じる。
  • レンズ白濁:紫外線や薬剤で透過率が低下し照度不足となる。
  • LED部分点灯:素子劣化や基板クラックにより均一性が損なわれる。

設計・調達チェックリスト

  • 配光均一性:プレート四隅の最低照度確保とホットスポット抑制。
  • 色度管理:左右ユニットの色味一致と白色域維持。
  • 防水・排水:結露対策、ベント構造、洗車圧水耐性。
  • 熱設計:LED接合温度管理と駆動回路の信頼性確保。
  • 法規適合:保安基準・認証表示・マーキングの整合。