バリュー平均法
バリュー平均法とは、投資の元本ではなく、資産の「価値」を一定のペースで増やしていくことを目指す投資手法であり、定期的に資産の調整を行うことによって投資額を増減させる。投資額を定額にする「ドルコスト平均法」とは異なり、目標とする資産価値に合わせて追加投資や部分売却を行うため、市場の状況に応じた柔軟な投資戦略を実現できる。
バリュー平均法の仕組み
バリュー平均法では、一定期間ごとに目標とする資産価値を設定し、その目標に対して実際の資産価値がどう変化しているかを確認する。例えば、毎月や毎四半期に資産価値を一定額増やすことを目標とし、実際の資産価値が目標を下回っている場合は追加投資を行い、逆に目標を上回っている場合は資産を売却して調整する。これにより、安いときには多く購入し、高いときには利益確定を行うことができる。
バリュー平均法とドルコスト平均法の違い
ドルコスト平均法は、一定の金額を定期的に投資することで、相場の上下に関係なく平均取得価格を平準化する手法である。一方、バリュー平均法は、一定の資産価値を目標に設定し、その目標に達するように追加投資や売却を行う点で異なる。バリュー平均法は、市場の動向に応じて投資額を増減させるため、より積極的な調整が必要となる。
バリュー平均法のメリット
バリュー平均法のメリットは、下落相場では追加投資を行い、上昇相場では利益を確定するため、リスクを抑えながら長期的なリターンを期待できる点にある。また、相場が急落した際には投資額を増やして将来的なリターンを狙うことができ、相場が過熱した際には資産を売却することでリスクを回避することが可能となる。
バリュー平均法のデメリット
一方、バリュー平均法のデメリットとしては、市場の動向に応じた資産の調整が必要となるため、頻繁に取引を行う可能性があることが挙げられる。これにより、手数料や税金のコストがかさむ場合があり、特に小額の投資ではその影響が大きくなる可能性がある。また、市場の急激な変動に対して適切に対応するための判断力が求められる。
バリュー平均法の実践
バリュー平均法を実践するためには、定期的に資産価値を確認し、目標値に合わせた調整を行うことが重要である。自動的にリバランスを行うツールやシステムを活用すると、手間を省きつつ効果的に実践できる。また、手数料や税金を抑えるために、長期的な視点で投資戦略を立て、不要な取引を避けることも大切である。