バタフライスプレッド|異なる行使価格のオプションを組み合わせて取引する

バタフライスプレッド

バタフライスプレッド(Butterfly Spread)とは、オプション取引において、異なる行使価格のオプションを組み合わせて取引する戦略の一つである。この戦略は、リスクを抑えながら市場の低ボラティリティを予測する際に利用され、価格が一定の範囲内に収まると利益を得ることができる。バタフライスプレッドは、主に中立的なポジションを取り、価格変動が比較的小さいと予測される時に使用される。

バタフライスプレッドの構成

バタフライスプレッドは、3つの異なる行使価格のオプションを組み合わせて形成される。具体的には、以下の構成が一般的である:

  • 1つの低い行使価格のオプションを買う
  • 2つの中間の行使価格のオプションを売る
  • 1つの高い行使価格のオプションを買う

この構成により、中央の行使価格に近づくほど利益が大きくなり、価格が大きく外れると損失を限定的に抑えることができる。バタフライスプレッドは、コールオプションでもプットオプションでも組むことができる。

バタフライスプレッドのメリット

バタフライスプレッドの最大のメリットは、リスクを限定しながら特定の価格レンジ内で利益を得られる点である。市場が予測した範囲内で動く場合、売ったオプションによるプレミアムを得ることができ、利益が最大化される。また、バタフライスプレッドは、比較的低コストで構築できるため、小さなリスクで取引を始めたい投資家にも適している。

バタフライスプレッドのリスク

バタフライスプレッドのリスクは、価格が大きく変動した場合、利益を得ることが難しい点である。市場が予測した範囲外で大きく動く場合、最大の利益を得る機会が失われることがある。また、オプションの売りと買いを組み合わせるため、タイミングの調整が難しく、取引の執行に手間がかかることもある。

バタフライスプレッドの損益の計算

バタフライスプレッドの損益は、行使価格と原資産の価格の差、オプションのプレミアム(価格)によって決まる。最大利益は、原資産の価格が中央の行使価格に一致する場合に得られ、最大損失は、原資産の価格が設定した範囲外に大きく動いた場合に限定的な損失が発生する。このため、損失は事前に限定されており、リスク管理がしやすい取引戦略である。

損益の具体例

例えば、ある株式の現在の価格が100円で、バタフライスプレッドを組む場合、以下のように構成する:

  • 90円の行使価格のコールオプションを1枚買う
  • 100円の行使価格のコールオプションを2枚売る
  • 110円の行使価格のコールオプションを1枚買う

この構成では、株価が100円近辺で推移した場合に最大の利益を得ることができる。株価が90円以下または110円以上に大きく動くと、損失は限定されるが、利益は得られない。

バタフライスプレッドの適用場面

バタフライスプレッドは、ボラティリティが低く、原資産の価格が大きく動かないと予想される局面で有効な戦略である。市場が安定している時期や、特定のイベント(決算発表や経済指標の発表)が終わった後など、価格が一定範囲内で推移することが見込まれる場面で使われることが多い。

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