チタン合金
チタン合金は、チタン(Ti)にアルゴン(Al)、バナジウム(V)、すず(Sn)、モリブデン(Mo)などを添加して耐食性や機械的強度を向上させた合金である。とくに、アルゴン(Al)を加えることで、純チタンより強度が高まる。チタン合金は、鉄の1/2程度まで軽く、高張力鋼をこえるほど頑丈でさびにくいという性質を活かして、航空機、特に戦闘機の発展とともに開発が進められてきた。また耐熱性にも優れているため、ジェットエンジンのタービン部分で使用され、エンジンの軽量化に貢献している。その他、化学プラント、化学プラント容器、原子力関連機器、航空宇宙用部品で使われている。
チタン合金
チタン合金は、アルミニウム(Al)を含有するα合金、アルミニウムとバナジウム(V)を含有するα+β合金、バナジウムを20%以上含有するβ合金と分類されている。
TAF6400
TAF6400(Ti-6Al-4V)とは、64チタンともよばれ、チタン(Ti)にアルゴン(Al)を6%、バナジウム(V)を4%添加した合金である。α+β合金の代表で、高い強度をもち、構造用に多用されている。大きなスプリングバックと、優れた深絞り性を生かす成形加工条件を選定する必要がある。溶接方法はTIG溶接を用いる。
チタン合金の引張強さ
TAF6400:895MPa以上
TF550:550~750MPa
Ti-6Al-4V-ELI
Ti-6Al-4V-ELIは耐食性に優れたチタン合金で、船舶・海洋分野関連で広く用意られている。日本の深海潜水調査船「しんかい6500」の耐圧殻にも用意られていることで知られている。なお、ELIとは、不要な元素の含有量をきわめて低いレベルに抑えている(extra low interstitials)ことを意味する。