カーバ神殿|イスラム教における最高の聖地,聖地巡礼

カーバ神殿

カーバ神殿はメッカにある立方体の聖堂でイスラムにおける最高峰の聖地である。現在は、メッカの聖モスクのほぼ中央に位置しており、全体が黒い布(キスワ)でおわれている。古来から聖石・聖像が納められ、アラビア半島の多神教信仰の中心であった。ムハンマドのメッカ征服後は、壁の一隅にはめこまれた黒石だけが残され、イスラム教信仰の中心となった。

カーバ

カーバとはアラビア語で立方体を意味する。現在の建造物は、高さは約15メートル。四隅はほぼ東西南北を向いており、北東に向かう面が正面で長さは約10メートル。北西に向かう面は約12メートルの長さがある。現在のような形と大きさになったのは1630年のことでムハンマドの時代は高さが背丈ほどであった。

ムハンマド以前

もともとはアラビア半島の土着の宗教の聖地で多神教であった。そのなかには360体あたりの偶像が祀られていた。追い出されたムハンマド

コーラン(2・25)

コーランには、カーバ神殿を巡礼の地とすること、流血、殺生、伐採を禁じる神聖不可侵の地とすること、イブラーヒーム(アブラハム)とイスマイール(アブラハムの子イシュマル)の子孫によって管理を任すことを書かれている。

またわれらが聖殿を万人の還り来る場所と定め、安全地帯に定めたときのこと。「汝ら、イブラーヒームの立処を祈祷の場所とせよ」とわれらは命じた。それからわれらはイブラーヒームおよびイスマイールと契約を結び、「汝ら両人、このわしの聖殿を清掃してここにおめぐりに来る人たちや、お籠もりの人達や、またひざまずきひれ伏してお祈りに来るひとたちのために仕えるのじゃ」と言い渡した。

伝説

イスラムの伝承によれば、最初にカーバ神殿を築いたのは人類の祖であるアーダム(アダム)とハウワー(イブ)で、ヌーフ(ノア)の時代の大洪水で一度は跡形もなく破壊された。その後、神の啓示を受けたイブラーヒームとイスマイールによって同じ場所に再建された。

黒い石

天使が黒い石をもってきて神殿の角にはめこんだ。それが現在、神殿の南東の角にはめられている石であるとされている。メッカ巡礼の際にしての起点とされ、巡礼の開始時にはそれに触れるか接吻することで始まるとされていた。しかし、そのせいで摩耗するため、現在は金属カバーと樹脂によって保管されており、アッラーフ・アクバル(アッラーは偉大なり)という賛辞を投げかけるだけの風習となっている。

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