カースト|現代インドも支配する身分制度,宗教

カースト

カーストとは、生まれによる身分の差を容認する制度である。バラモンを最高位とするヴァルナ四階級、および不可触民とよばれる最下層のカースト、さらにジャーティという身分区別で数千の階級に分けられ、現代でも職業や住居を制約している。

カースト

カースト

カースト

カーストは家系を意味するポルトガル語「カスタ」によるもので、インド古来の呼び名は「生まれを同じくする者の集団」という意味で、ジャーティという。

サブカースト

バラモン、クシャトリヤ、ヴァイシャ、シュードラの4つのヴァルナとそれに加えた不可触民のカーストがあり、それぞれのカーストの中には、2000~3000のサブカーストが存在しており、大きなカーストの場合には、サブカーストが日常の社会行動の範囲となっている。

ヴァルナ制度

ヴァルナ制度は、現在のカースト制度以前の、より大きな枠組みである。カーストが形成される過程については不明な点が多いが、グプタ朝以後の600~700年の間に、ヴァルナから細分化していき、多数のカーストが形成された。またヒンドゥー教はカースト制度を支える宗教として、インドの民衆との結びつきを強めた。

身分の固定化

各カーストは自治制をもち、排他的な性質をもっている。カーストは固定化され、貧富の差や成功、失敗関係なく、自分のカーストから生涯離れることはできない。

インド伝統的な社会

インドの伝統的な社会は、カースト間の分業体制を基礎としていた。各カーストは結婚・食事・職業を共通にするものたちからなる排他的集団であり、そうしたカーストをヨコ(分業)とタテ(上下の身分)の関係で有機的に結合したかたちで成立している。

ヴァルナ

ヴァルナ

カーストを前提とした村

村は農業カーストとそれを取り巻く20~30のカーストからなり、それぞれのカーストに所属するものがそれぞれ役割(カーストの職業)を果たすことによって、毎年の生産活動が維持された。また各カーストは、バラモンを最高位とし不可触民のカーストを最下位とする身分関係で結ばれており、これによって村落社会に秩序が与えられている。

結婚問題

結婚はカースト内からされることが多く、配偶者の選択範囲を狭くする。その一方で、息子や娘の結婚相手を見つけることは、親の社会的・宗教的義務とされている。親は子の幼いうちから配偶者探しをはじめることになる。また、『律法経』や『マヌ法典』では女の幼児婚が進められているが、カースト社会が発展すると、次第に男の幼児婚も認められるようになってくる。

食事問題

カーストごとに日常の食事は厳しく決められており、高位のカーストごとに厳密になっていく。他のカーストと同席してはならない、低いカーストから水や料理をもらって飲食してはならない、牛肉やニンニクなどは食べてはならない、等である。

カースト違反

カーストを違反した者は、カースト内での集会やパンチャーヤト(長老会議)によって制裁が加えられる。多くは違反者を一時的にカーストからはずし、罪を償ったあとでもう一度カーストに戻すかを会議される。断食、沐浴、聖地巡礼、体罰、罰金など様々な償い方法があり、重大な犯罪を犯した者は永久追放するようになった。

宗教観

カーストは、この世の生まれを前世の行為(業)の結果とみなし、カーストの義務を果たすことによって「よりよい来世」がえられると説くヒンドゥー教の宗教観に基づいている。カーストの社会は安定したもので共同体が成り立っており、イスラム教徒の支配下や法的に否定されている現代にあっても市民権を持っている。