ウルグアイ・ラウンド|多国間貿易交渉の第8回目のラウンド

ウルグアイ・ラウンド

ウルグアイ・ラウンドは、1986年から1994年にかけて実施された多国間貿易交渉(MTN)の第8回目のラウンドであり、関税および貿易に関する一般協定(GATT)の枠組み内で行われた。1986年、南米ウルグアイの会議から始まり、123カ国が「締約国」として参加し、その結果、世界貿易機関(WTO)が創設された。GATTは引き続きWTO協定の一部として存続することとなった。ウルグアイ・ラウンドの広範な使命は、これまで自由化が困難とされてきた分野(農業、繊維)および新たに重要性を増してきた分野(サービス貿易、知的財産、投資政策貿易歪曲)にGATTの貿易規則を拡張することであった。特に日米・ECは農業をめぐって対立したが、1993年細川内閣は米の部分開放に合意した。

歴史

1986年7月、ジュネーブでの総局長室によって一連の更新文書が作成され、進展のための準備が整えられた。同年9月、ウルグアイのプンタ・デル・エステでラウンドが開始され、その後ジュネーブ、ブリュッセル、ワシントンD.C.、東京で交渉が行われた。

背景

1986年の閣僚宣言では、構造的欠陥や特定国の政策の世界貿易への波及効果といった問題が指摘され、これに対処するため、GATTの第8回ラウンド(ウルグアイ・ラウンド)が開始された。貿易システムをサービス貿易や知的財産などの新たな分野に拡張し、農業や繊維といったセンシティブな分野の貿易を改革することを目的としていた。

目標

  • 農業補助金の削減
  • 外国投資の制限撤廃
  • 銀行や保険などのサービス貿易の開放開始
  • 知的財産の保護

ブレアハウス合意

1990年12月予定までの予定であったが、米国とEUが農業貿易の改革について対立し、延長での交渉が続いた。1992年11月、米国とEUは大筋合意の内容を「ブレアハウス合意」として非公式での同意を取り付けた。

世界貿易機関(WTO)

1994年4月15日、モロッコのマラケシュで123カ国の閣僚によって署名された。この合意により、GATTシステムに代わる世界貿易機関(WTO)が設立され、1995年1月1日に発効した。

マラケシュ協定

20の合意がマラケシュで署名され、これが「マラケシュ協定」となった。

成果

GATTについては、WTOの貿易に関する基本条約として存続しており、ウルグアイ・ラウンドの交渉により更新された(GATT 1994は更新部分を指し、GATT 1947は依然としてGATT 1994の中核部分を成している)。最終合意には、約60の協定、付属書、決定、および理解が含まれている。

成果の一覧

  • WTO設立
  • 物品および投資(物品貿易に関する多国間協定、GATT 1994、貿易関連投資措置(TRIMS)を含む)
  • サービス(サービス貿易に関する一般協定(GATS))
  • 知的財産(知的財産の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS))
  • 紛争解決(DSU)
  • 各国の貿易政策のレビュー(TPRM)

ウルグアイ・ラウンド農業協定

ウルグアイ・ラウンド農業協定により、農業貿易がGATTの下でより完全に規制されるようになった。ウルグアイ・ラウンド以前は、補助金の使用が増加し、在庫が増加し、世界価格が低下し、支援コストが増加する中で、農業貿易の条件は悪化していた。この協定は、数量制限を関税に転換し、関税の段階的削減を提供している。また、農業輸出補助金、国内補助金、および衛生植物検疫(SPS)措置に対する規則と規律を課している。

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