はめあい
はめあいとは、丸い軸と穴をはめることをいう。軸や穴に対して、許容限界寸法を定め、その範囲 (公差) 内に寸法を仕上げたものが期待している。はめあいの公差を、はめあい公差という。軸に対して、穴の公差が軸よりも小さいものをしまりばめ、穴の方が大きいものをすめしろ、 その間を中間ばめといい、目的に合ったものを適切な場合に使われる。
はめあいの種類
はめあいの種類は、すきまばめ、中間ばめ、しまりばめがある。すきまばめは、穴と軸との間にすきまがあるときの状態、穴と軸が等しい場合で、しまりばめ、穴と軸との間にしめしろがある場合で穴より軸の方が大きいことをいう。その間が中間ばめで、すきま・しめしろがある場合である。
穴基準と軸基準
穴を基準としたはめあいを穴基準といい、軸を基準としたはめあいを軸基準という。穴の加工の方が用意であることから、穴基準が一般的に使われる。はめあい公差は「H6」(穴基準)や「g5」(軸基準)などでアルファベット+等級の数字で示される。等級の数字が小さい方が公差域が狭く、 高精度となる。輪基準は、すでに決まっている軸に対応する穴を規定する場合に、用いられることが多い。 先に述べたように穴記号は、英大文字Hを基準に、軸記号は英小文字hを基準で示す。アルファベット順には、 H、hを境に数値の基準位置が移動し、aAの方向は隙間ができてゆるくなり、 zZの方向は厳しくなって入りにくい。市販のゲージで検査をすることができる。
穴基準はめあい
穴基準はめあいは、穴の最小許容寸法を0として、これを基準にして軸のはめあいや許容値をきめる方法である。穴より軸のほうが加工しやすいため、一般的に使われる。一般に基準穴H7に対して、すきまばめはh7、とまりばめはjs6、しまりばめはp6、という風に軸の公差域を調整する。
公差域
軸基準はめあい
軸基準はめあいは、軸の最大許容差を0としてこれを基準に穴の公差を決めるはめあいである。軸の加工や検査が難しいことから、あまり用いられない。特に量産ベースでは穴径ごとにゲージが複数いる、ローマが穴径ごとに限界ゲージがいる、などコストが高い。既に存在する軸に対してボスをゆるく挿入させたり、きつくはめたりするようなときに用いる。
公差域
公差等級
穴用限界ゲージ (栓ゲージ)
穴用限界ゲージとは、はめあいをはかるゲージで、穴基準はめあいのときに用いる。太く短い方が穴に入るとき、あるいは、細く長い方が入らないときに問題である。穴に入る側は、磨耗を考慮に入れて長く作られている。
軸の面取り
円滑に挿入するため、軸部や穴部にどちらも面取りを行わなければならない。付け根のところはRをとるが、C面にたいし、Rが大きすぎると干渉するので気を付ける必要がある。