旧人|ネアンデルタール人,ホモサピエンス以前

旧人

旧人とは原人新人の間に位置する化石人類である。約20万年前の更新世後期初め頃に出現したと推定される。一種の剥片石器を使用し、毛皮の衣服を着用した。ドイツで発見されたネアンデルタール人を代表に、旧大陸各地から化石が出土している。

目次

旧人の特徴

100万年前、原人はアフリカからヨーロッパへ移ったが、ヨーロッパの原人が進化をとげて旧人が出現した。なお、北アフリカやアジアでもこれに類する旧人の骨はみつかっている。旧人の特徴は肉食を始めて脳の大きさが猿人の倍になった。石器は原人の頃から使われていたが、旧人では火が使われるようになった。

ネアンデルタール人 Neanderthal

1856年ドイツのネアンデルタールで発見された旧人をネアンデルタール人と呼ぶ。ヨーロッパを中心に西アジア・北アフリカからも発見されている。それぞれの地域で原人から進化したのか、ヨーロッパの旧人が移動したのかはわかっていない。骨格は新人に接近し、脳容積も新人とほぼ同量(あるいはそれ以上)の1500cc前後が多い。洞穴に住み、一部では埋葬などの宗教的行為も始まった。ネアンデルタール人の骨は全部で140体分がみつかっている。

ネアンデルタール人

ネアンデルタール人は、骨は太く頑丈で、額は後退していて眼窩上に大きな隆起があった。彼らは厳しい自然環境に対しても工夫する能力をもち、小屋をつくり、集団でマンモスなどの大形獣を狩猟した。食事は彼らから貝も食べられ始めている。

埋葬の風習

イラクのシャニダール洞窟では、花とともに埋葬された老人が見つかっているが、この出土状況からネアンデルタール人が埋葬を行った最初の人類であったという解釈がなされている。

ネアンデルタール人の石器

石器は調整石核技法により、鋭いスクレーパー(掻器・そうきといわれ、獣皮の剥離切断に用いられた)やポイント(尖頭器)を作製した。石器や木材・木器の加工場、動物の解体場などもあった。小屋には炉と調理場があり、食料の種類も多くなったことがわかる。彼らの儀礼についても、死者の脳を食べる儀式をおこない、丁寧に埋葬したことが明らかである。

氷河期での絶滅

ネアンデルタール人はヴュルム氷河期(3万5000年前)に滅亡したと考えられるが、やがて出現した新人(現生人類)と直接つながる可能性もある。

旧人から新人へ

パレスチナのカルメル山の洞窟でみつかった人類の頭蓋骨は、ネアンデルタールの特徴を示し、他の部分は新人の特徴を示しているといわれる。ネアンデルタールから新人への進化の過程を証拠だてると主張する学者もいる。

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