QC工程図
QC工程図は、品質管理(Quality Control: QC)の工程管理ツールとして、製造工程における品質保証のための工程管理図である。一連の製造過程で、どの工程においてどのような品質管理活動が行われるかを視覚的に示すツールとして使用される。企業によって異なるが、品質特性として何をチェックするか、品質に影響を与えるものとして何をチェックするかを明記した一覧表で表される。QC工程図は、特に製造業やサービス業において、品質問題を未然に防ぎ、効率的な生産を実現するために重要な役割を果たしている。
QC工程図の概要
QC工程図は、製造プロセスの各ステップを詳細に描写し、そのステップごとに必要な品質管理の手法やチェックポイントを明確に示す図である。工程内での不具合の発生を抑制し、製品の品質を一定に保つことが可能になる。具体的には、原材料、部品、加工、組立、製品などが対象となる。
工程解析
製品の品質特性と工程上の要因との関係を分析することを工程解析という。代表的な要因は、4Mと言われる原料・材料(Material)、機械設備(Machine)、製造方法(Method)人(Man)で、これらの製造工程上のリスクを工程解析で正確に見積もることで、QC工程図の精度を高めることができる。
QC工程図の作成手順
QC工程図の作成は、工程解析を行い、製造工程を明確化することから始まる。次に、各工程の詳細を洗い出し、それぞれの工程で発生し得る品質問題を特定する。これに基づいて、品質チェックのポイントを設け、適切な管理手法を選定する。このとき、工程ごとの作業内容や設備や機器(機械設備の管理を行う)、担当者なども記載する必要がある。文章ではなく情報を図やグラフで整理し、QC工程図を完成させる。
機械設備管理(TPM)
機器や設備の管理には、機械設備管理(Total Productive Maintenance,TPM)という設備保全に関する方法が取られる。
QC工程図による見える化
QC工程図は、製造工程を見える化することで、品質管理が効率的に行うことができる。製品の不良率が低下し、リードタイムの短縮、コスト削減が期待できる。また、実際に品質問題が発生したとき、問題の発生箇所や原因を迅速に特定できるため、早期復旧ができる。
QC工程図の実際の使用例
QC工程図は、自動車産業や電子機器製造など、複雑な製造工程を持つ業界で広く使用されている。例えば、自動車の組立工程では、エンジンの組立から車体の塗装まで、各工程ごとに詳細な品質チェックが行われる。QC工程図に基づいて、各ステップでの品質検査が計画され、不具合の発生を防ぐための対策が取られている。