MTTR(Mean Time To Repair)|修理完了までの平均時間を示す指標

MTTR(Mean Time To Repair)

MTTR(Mean Time To Repair)は、機器やシステムが故障した際に、修理が完了するまでに要する平均時間を指す指標である。これは、設備やシステムの保守性や復旧の効率を測定するために用いられ、特に製造業、ITシステム、インフラ設備などの分野で重要視される。

MTTRの計算方法

MTTRは以下の数式で計算される。

  • MTTR = 総修理時間 ÷ 修理回数

例えば、ある設備が1ヶ月間に5回故障し、それぞれの修理に要した時間の合計が10時間だった場合、MTTRは10 ÷ 5 = 2時間となる。

MTTRの重要性

MTTRは、システムの可用性を高め、ダウンタイムを最小限に抑えるための重要な指標である。特に、以下のような場面で重視される。

  • 製造業における生産ラインのダウンタイム削減
  • ITシステムの障害復旧時間の短縮
  • 電力・通信インフラの安定供給

MTTRを短縮する方法

MTTRを短縮するためには、以下のような取り組みが有効である。

  1. 適切な予防保全の実施
  2. 修理作業の標準化と手順の最適化
  3. 必要な部品・工具の事前準備
  4. 修理担当者の教育と訓練
  5. リモート監視・診断技術の活用

MTTRと他の指標との関係

MTTRは、他の保守・運用指標と密接に関連している。

  • MTBF(Mean Time Between Failures):平均故障間隔であり、故障の頻度を示す。
  • MTTF(Mean Time To Failure):平均故障時間であり、システムが故障するまでの平均時間を示す。
  • 可用性(Availability):MTBFとMTTRを用いて計算され、システムが稼働している時間の割合を示す。

MTTRの業界別適用例

MTTRは業界によって適用される範囲や重要度が異なる。以下に代表的な業界の例を示す。

  • 製造業:生産ラインのダウンタイム削減が求められる。
  • IT業界:システム障害の迅速な復旧が重要。
  • 航空・鉄道:安全性を確保するために迅速な修理が必要。
  • 電力・通信:インフラの継続的な稼働が求められる。

MTTRの限界

MTTRは、あくまで平均値であるため、極端なケース(長時間の修理や瞬時の復旧)が含まれると実態と乖離する可能性がある。また、計測方法によっては、修理開始までの遅延時間を考慮しないため、実際のシステム復旧時間とは異なる場合がある。

MTTRを活用した改善事例

MTTRを指標として活用し、実際に改善が成功した事例を紹介する。

  • 製造業A社:設備保全のデジタル化により、MTTRを30%削減。
  • IT企業B社:障害対応プロセスの最適化で復旧時間を50%短縮。
  • 鉄道会社C社:予防保全の強化で故障発生時の対応速度向上。