FX
FX(Foreign Exchange)は外国為替証拠金取引といい、為替変動性を利用して外貨(外国の通貨)の売買を行い、為替差益を得る(キャピタルゲイン)取引である。通常はレバレッジをかけ、小さな資本で大きな利益を得ることを目的とする。外国の通貨に投資する方法に為替預金があるが、これは主として利息(インカムゲイン)を目的とする場合が多い。
キャピタルゲインとインカムゲイン
FXは主として為替の変動を利用して利益を得ようという取引である。為替差益をキャピタルゲインといい、利息をインカムゲインという。
変動傾向
一般に、その国の経済状況がよければその国の通貨は高くなり、悪くなれば安くなる。
証拠金
口座を開設すると、証拠金とよばれる担保する金額をFXの業者に預けるが、これを担保に実際の所持金額の何倍もの投資をすることになる。
レバレッジ
レバレッジとは「てこ」のことを意味し、小さな力で大きな力を動かす、つまり小さな金額で大きな金額を動かすことをイメージしてレバレッジという言葉が使われる。FXでは基本的にはレバレッジをかけて取引を行う。当然、大きなレバレッジをかけると利益が大きくなる反面、損失が出たときは損失も大きくなる。
レバレッジのシュミレーション(利益)
Ⅰ.1ドル=100円のとき、1万ドル買い付けたとする。100万円の買い付けになります。なお、このときの証拠金は1000ドル=10万円です(レバレッジ10倍の場合)。
Ⅱ.1ドル=101円とドル高(円安)になった。そこで1万ドルを円換算したら、101万円(101円×1万ドル)になり、すなわち1万円の利益が得られた。
Ⅲ.もし、同じ10万円で外貨預金をしたとする。10万円=1000ドルで、1ドルが100円から101円になっても、10万1000円。(1000円の利益)。
Ⅳ.もしレバレッジを20倍にしたら、つまり2万ドルを買い付けたら、1000ドルの証拠金で2万ドルを買い付け、(10万円で200万円を買い付け)、1ドルが100円から101円になれば2万円の利益(利益率20%)になる。
レバレッジのシュミレーション(損失)
Ⅰ.1ドル=100円で1万ドルを買い付けたとする。レバレッジ2倍の場合、2万円の証拠金で100万円の取引を行う。
Ⅱ.1ドル=99円円高ドル安になった。すなわち1ドル=99円になってしまった。
Ⅲ.100万円の投資額が99万円になってしまった。1万円の損失。
Ⅳ.同じ2万円の資金でも、1000ドルの外貨預金なら1000円の損失(10万円→9万9000円)、すなわち1パーセントの損失であるが、レバレッジ2倍のFXなら2パーセントの損失(マイナス1万円)になる。
レバレッジの規制
かってはレバレッジを50倍、100倍と高く出来たが、現在では規制がかかり、25%が上限である。海外の証券会社を利用すると、レベレッジを高く設定出来る場合がある。
スワップ金利
FXでは、為替差益(キャピタルゲイン)を目的とする場合が大きいが、インカムゲインによって利益をえる方法がある。金利の低い通貨を売って金利の高い通貨をかうことで、スワップ金利が発生する。一方で、高金利の通貨を売って低金利の通貨を買った場合、金利差分の利息を支払うことになる。
スワップポイント
スワップ金利に加え、レバレッジを反映させ、その金利差を得ることをスワップポイントという。少ない資金でもレバレッジを聞かせ、かつスワップポイントもあわせれば利益が大きく見込める。
ロスカット
FXで損失をだし、かつ、損失額が証拠金を上回った場合、一定の基準(おおよそ50~70%)を上回ったところで多くの取引業者からマージンコールという警告を発する。投資家は追加の証拠金(追証)を差し入れるが、それが出来なければ、自動的に損失が確定してロスカット強制(決済)になる。ロスカットはレバレッジが高く設定すればするほど、作動しやすくなる。
インターバンク
インターバンク市場とは銀行間の外国為替市場のことをいう。外国為替には株のような取引所はなく、世界の各都市にある銀行間でインターネットを通じて取引が行われる。そのためFXは平日であれば24時間取引が可能である。時差の都合上、通貨によっては取引が活発になる時間帯があり、ニューヨークの銀行が開くのは概ね日本時間でよる11次、ドルの取引が活発になる。なお、ユーロは夕方である。
取引される通貨
取引される通貨は銀行によって異なる。円、ドル、ユーロ、ポンド(イギリス)などの主要通貨からトルコ(トルコリラ)、南アフリカランドまで、おおよそ20通貨が対象となることが多い。
通貨ペア
FXはひとつの通貨を買う一方でひとつの通貨を売ることになる。日本円-ドルだけでなく、ドル-ユーロなどというように外貨同士でも取引ができ、これを通貨ペアという。
- スワップポイントを狙う:低金利(売り)と高金利(買い)
- キャピタルゲインを狙う:レートの安い国(売り)と高い国(買い)
投資スタイル
- スキャルピング:超短売買のことで数分から数秒という期間で取引する
- デイトレード:10分から1日程度で決済を終わらせる
- スイングトレード:2日から1週間ほど保有する。スワップポイントも期待できる。