C2801P(黄銅板)
C2801P(黄銅板)は、銅(Cu)と亜鉛(Zn)を主成分とする黄銅(真鍮)合金の一種で、特に板材としての形状で供給されることが多い材料である。C2801Pは、その優れた加工性と耐食性、美しい金色の外観を持つことから、さまざまな用途で広く使用されている。建築資材、電気部品、装飾品など、機械的強度と加工のしやすさ、美的な要素を同時に必要とする用途に適しており、また、リサイクル性も高いため持続可能な資源としても注目されている。
C2801Pの成分と特徴
C2801Pは、約60%の銅と40%の亜鉛を含む合金で、これにより優れた機械的特性と加工性が得られる。亜鉛の含有により、銅の特性に硬さと強度が加わり、耐摩耗性も向上している。この合金は、加工が非常にしやすく、冷間加工や熱間加工の両方に対応している。また、黄銅特有の美しい金色の外観は、装飾用途にも利用されることが多く、その光沢が長期間にわたって維持される点も特徴である。さらに、C2801Pは良好な耐食性を持ち、特に大気中や水環境下での耐食性能が高い。
弊社の商品+切断(例)
C2801P 20x42x56 31枚
真鍮で合金番号の指定がない場合は、C3604の角棒か、C2801・C3713の切板、双方でご提案、お見積させていただきます。ご希望のサイズによって、角棒か切板どちらが良いかが異なってきます。お気軽にご相談ください!😊 pic.twitter.com/doSpJkRkne
— 高橋勇佑 | 埼玉で材料買うなら高橋商店 (@GaochaoSyouten) May 27, 2020
用途と応用分野
C2801Pは、その優れた加工性と美しい外観から、多岐にわたる用途で使用されている。建築分野では、屋根材や装飾パネル、手すりなどの外装部材として利用され、美観を保ちながら耐久性を提供する。電気産業においては、端子やコネクタなど、導電性と加工性が求められる部品に使用されている。また、日用品や装飾品、楽器など、美的価値と機能性を両立させる用途でもC2801Pは人気がある。さらに、配管材やバルブ、フィッティングなど、耐食性が重要視される環境でも広く利用されている。
加工性と機械的特性
C2801Pは、その成分比によって、非常に良好な加工性を発揮する。冷間加工では、曲げや深絞り加工などが容易であり、複雑な形状の部品も効率的に製造することができる。また、熱間加工にも対応しており、温度を上げることでさらに加工が容易になる。この合金の機械的特性としては、適度な強度と硬さを持ち、装飾的な用途だけでなく、機械部品としての使用にも十分な耐久性を備えている。加工後も安定した寸法精度が保たれるため、高精度が求められる用途にも適している。
私はメッキの乗りやすさや切削性を考えると真鍮が大好きです。型番だとC2801Pかな RT @destroy_tom 鉄オタに「あなたも鉄オタだったんですか!ちなみに何が好きですか?僕はアルミやジュラルミンも捨てがたいですがタングステンが一番好きです」って送ったらブロックされた
— Kouji Shibata 柴田幸司 (@koji_sibata) February 13, 2015
黄銅(真鍮)の利点
C2801Pの大きな利点は、まずその優れた加工性にある。冷間加工と熱間加工の両方が可能であるため、多様な形状やサイズに対応できる。また、美しい金色の外観は、装飾用途や建築材料として高く評価されており、長期間の使用でも変色が少ない点も魅力である。さらに、耐食性が高く、水環境や湿気の多い環境でも安定した性能を発揮するため、配管材やバルブなどの用途にも適している。リサイクルが容易で、再利用可能な点も持続可能な素材としての価値を高めている。
どのように加工するのかによるかと思いますが、私がお付き合いしている切削系の町工場さんはC2801が多いです。一般的に流通しているものになります😌切削系はC2801P(Pがつくと板)、ボルトやナットはC3604が多いです。ご参考になるか…わからないですが😅
真鍮カラビナもC2801Pからの精密切削です♪— synC2raft®︎/soul;solid (@synC2raft) October 16, 2024
課題と注意点
C2801Pにはいくつかの課題も存在する。まず、強度が非常に高い合金には及ばないため、非常に高い荷重がかかる用途には適していない。また、亜鉛の含有によって、特定の酸やアルカリに対して腐食が進むことがあるため、使用環境によっては表面処理やコーティングが必要である。さらに、亜鉛の含有により、応力腐食割れのリスクもあるため、特に応力がかかる環境での使用には注意が必要である。適切な材料選定と加工条件の管理が、C2801Pの性能を最大限に発揮するために重要である。