FIFA ワールドカップ 2026 リース・ノリントン=デイヴィス
リース・ノリントン=デイヴィス(Rhys Llewelyn Norrington-Davies、1999年4月22日生まれ)は、ウェールズ出身のプロサッカー選手である。ポジションは左サイドバックで、シェフィールド・ユナイテッド(イングランド・EFLチャンピオンシップ)に所属しながら、2025‐26シーズンはクイーンズ・パーク・レンジャーズ(QPR)に期限付き移籍で活躍した。ウェールズ代表のレギュラーとして活躍しており、2026年3月にはウェールズ代表としてFIFA ワールドカップ 2026欧州プレーオフに参戦したが、ボスニア・ヘルツェゴビナとの準決勝でPK敗退を喫し、本大会出場を逃した。
人物・生い立ち
リース・ノリントン=デイヴィスは1999年4月22日、サウジアラビアの首都リヤドで生まれた。父パトリックはイギリス陸軍の軍人として現地に赴任しており、父の職業柄、一家は幼少期にケニア、ロンドン、そしてウェールズのアバリストウィスへと頻繁に転居した。アバリストウィスでは地元の学校であるユスゴル・ペングライスに通い、その後サウス・ロンドンのクロイドンにあるロイヤル・ラッセル・スクールで教育を受けた。この国際的な成長環境が、サッカー選手としての適応力と精神的な強さを培う素地になったとも言われている。身長181cm・体重は左利きと恵まれた体躯を持ち、左サイドバックとして攻守にわたる貢献ができる選手として評価されている。
ユース・キャリア
リース・ノリントン=デイヴィスのサッカーキャリアは、地元ウェールズのボウ・ストリートFCおよびアバリストウィス・タウンFCでのユース経験から始まった。その後、イングランドのメルサム(Merstham FC)でもプレーし、2016年頃にスウォンジー・シティのアカデミーへ移籍。さらに2017年にはシェフィールド・ユナイテッドのアカデミーへ加入し、トップチームへの道を歩み始めた。ユース時代からウェールズ代表のU-19チームに選出されており、その突破力と守備における粘り強さが評価されていた。ウェールズ出身のサッカー選手が名門クラブのアカデミーで評価されることは珍しくないが、ノリントン=デイヴィスの場合、軍人家庭という特殊な環境がその精神的タフネスに影響を与えたと伝えられる。
クラブ・キャリア
リース・ノリントン=デイヴィスは2018年にシェフィールド・ユナイテッドでプロとしてのキャリアをスタートさせた。同年9月にバロウFCへの期限付き移籍(ナショナルリーグ)で実戦経験を積み、翌月には契約延長が合意されシーズン終了まで在籍した。2019-20シーズンはロッデール(リーグ・ワン)へ移籍し、リーグ戦27試合に出場して1得点を記録した。2020-21シーズンは前半をルートン・タウン(チャンピオンシップ)で過ごし22試合に出場。2021年1月にシェフィールド・ユナイテッドへ呼び戻された後、即日ストーク・シティへ移籍してさらに20試合に出場し、2021年3月のウィカム・ワンダラーズ戦で1ゴールを記録した。その後、2021-22シーズンから本格的にシェフィールド・ユナイテッドのファーストチームに定着し、チャンピオンシップで22試合に出場。2023-24シーズンはプレミアリーグで5試合に出場したが、ハムストリングの負傷にも悩まされた。2024年8月にシェフィールド・ユナイテッドと新契約を締結し、2025年8月にはQPRへの期限付き移籍が成立。2025-26シーズンはQPRでチャンピオンシップ38試合に出場して1ゴールを記録する安定した活躍を見せた。
期限付き移籍の遍歴
ノリントン=デイヴィスの成長を支えたのは、多彩な期限付き移籍の経験である。バロウ(ナショナルリーグ)、ロッデール(リーグ・ワン)、ルートン・タウン(チャンピオンシップ)、ストーク・シティ(チャンピオンシップ)、そしてQPR(チャンピオンシップ)と、5度にわたる移籍を経てプレーの幅を広げた。各クラブで異なる戦術的要求に対応してきた経験が、ウェールズ代表でもスタメンとして起用される選手に成長させた大きな要因とも評価されている。
- 2018-19:バロウ(ナショナルリーグ)29試合0ゴール
- 2019-20:ロッデール(リーグ・ワン)34試合1ゴール
- 2020-21:ルートン・タウン(チャンピオンシップ)22試合0ゴール
- 2020-21:ストーク・シティ(チャンピオンシップ)20試合1ゴール
- 2025-26:クイーンズ・パーク・レンジャーズ(チャンピオンシップ)39試合1ゴール
ウェールズ代表でのキャリア
リース・ノリントン=デイヴィスはU-19、U-21を経て、2020年10月にウェールズA代表へ初招集された。同年10月14日、ブルガリア戦(UEFAネーションズリーグ)の先発メンバーとして起用され、ウェールズが1-0で勝利を収めた試合でフル代表デビューを飾った。2021年5月には延期されたUEFA欧州選手権2020のウェールズ代表スクワッドに選出された。2022年6月8日には、オランダとのUEFAネーションズリーグ戦で代表初ゴールを記録している。UEFAネーションズリーグをはじめとする国際舞台での経験を積み重ねつつ、ウェールズ代表における左サイドバックのポジションを確立した。
FIFA ワールドカップ 2026予選
リース・ノリントン=デイヴィスは、ウェールズ代表の一員としてFIFA ワールドカップ 2026欧州予選に参加した。ウェールズはUEFA第1ラウンドのグループJで戦い、2025年11月18日に北マケドニアを7-1と大勝して2位となり、欧州プレーオフへの進出を果たした。2026年3月26日に行われた欧州プレーオフ準決勝(パスA)では、ウェールズはホームのカーディフ・シティ・スタジアムでボスニア・ヘルツェゴビナを迎えた。試合は延長戦でも1-1のまま決着がつかず、PK戦の末にボスニア・ヘルツェゴビナが4-2で勝利し、ウェールズの本大会出場は果たされなかった。ノリントン=デイヴィスも出場スクワッドに名を連ねており、チームとして本大会出場に向けた戦いを共にしたが、悔しい結末となった。
欧州プレーオフの経緯
ウェールズが臨んだ欧州プレーオフは、UEFA第1ラウンドの12グループ2位通過国および2024-25 UEFAネーションズリーグの上位国計16チームで争われた。クレイグ・ベラミー監督に率いられたウェールズは、準決勝でエディン・ジェコの86分ヘッダーによる同点弾でドローに持ち込まれ、PK戦でブレナン・ジョンソンとネコ・ウィリアムズのキックが失敗。同パスAの決勝戦(ボスニア対イタリア)にはウェールズの姿はなく、最終的にパスAはボスニア・ヘルツェゴビナがFIFA ワールドカップ 2026への出場権を獲得した。欧州プレーオフ全体ではボスニア、チェコ、スウェーデン、トルコの4か国が出場権を得た。ウェールズにとって2022年カタール大会(64年ぶりの本大会出場)に次ぐ挑戦だったが、2大会連続での本大会出場はかなわなかった。
プレースタイルと特徴
リース・ノリントン=デイヴィスは左足を武器にした攻撃的な左サイドバックとして知られる。チャンピオンシップレベルでは精力的な攻め上がりとクロスの精度が評価されており、守備においても体格(181cm)を生かした強度の高いデュエルを見せる。長年にわたる期限付き移籍を通じて戦術的な対応力を高め、異なるチームの戦術システムに素早く適応できる点も評価されている。一方で、ハムストリングの故障に悩まされた時期もあり、コンディション管理が課題として挙げられてきた。シェフィールド・ユナイテッドではチャンピオンシップおよびプレミアリーグの両方でプレー経験を持ち、ウェールズ代表における左サイドの主力として一定の地位を確立している。
通算成績
リース・ノリントン=デイヴィスのクラブおよび代表での主な通算成績は以下の通りである(2026年5月時点)。
| クラブ | シーズン | 出場 | 得点 |
|---|---|---|---|
| バロウ(loan) | 2018-19 | 29 | 0 |
| ロッデール(loan) | 2019-20 | 34 | 1 |
| ルートン・タウン(loan) | 2020-21 | 22 | 0 |
| ストーク・シティ(loan) | 2020-21 | 20 | 1 |
| シェフィールド・ユナイテッド | 2021-25 | 66 | 0 |
| QPR(loan) | 2025-26 | 39 | 1 |
| キャリア通算 | — | 210 | 3 |
ウェールズ代表と FIFA ワールドカップ 2026
ウェールズ代表はFIFA ワールドカップ 2026欧州予選において健闘を見せたが、最終的には欧州プレーオフ準決勝でボスニア・ヘルツェゴビナに敗れ、本大会出場を逃した。2022年カタール大会では64年ぶりにFIFAワールドカップ出場を果たしたウェールズにとって、連続出場という目標は達成されなかった。ベラミー監督は敗戦後も「明日の夜明けを見て、またより強くなる」と前向きな姿勢を示した。ノリントン=デイヴィスを含む若い選手たちが代表を支えており、2028年UEFA欧州選手権および次回ワールドカップの予選に向けて、ウェールズ代表の継続的な発展が期待されている。
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