FIFA ワールドカップ 2026 ケレム・アクトゥルコール|トルコ代表を牽引するアタッカー

FIFA ワールドカップ 2026 ケレム・アクトゥルコール

ケレム・アクトゥルコール(Kerem Aktürkoğlu、1998年10月21日生まれ)は、トルコ・イズミット出身のプロサッカー選手である。ポジションは主に左ウィングで、サイドハーフやセカンドストライカーもこなす万能型のアタッカーだ。フェネルバフチェに所属し、トルコ代表の主力として活躍する。2026年6月2日、トルコ代表の26名枠に選出され、24年ぶりとなるFIFA ワールドカップ 2026の本大会に臨む。鋭いドリブルと両足を活かしたクロス精度、そして「ケレム・ポッター」の異名を持つ独創的なゴールセレブレーションで知られる、トルコサッカー屈指の個性派プレーヤーである。

基本プロフィール

ケレム・アクトゥルコールのフルネームはムハンメド・ケレム・アクトゥルコールで、トルコ北西部の工業都市イズミット(コジャエリ県)で生まれた。生後10カ月の頃に1999年イズミット地震に遭遇し、がれきの中から救出されたという壮絶な生い立ちを持つ。身長173cm、体重は選手登録時の公表値で約70kgと、ウィングとしては小柄ながらも俊敏性と推進力を武器にする。イスラム教徒としての信仰も厚く、メッカへのウムラ巡礼を果たしている。2024年9月にはキック(Kick)チャンネルを開設し、ゲーム配信やファン向けQ&Aを定期的に行うなど、ピッチ外での発信にも積極的である。

項目 内容
本名 ムハンメド・ケレム・アクトゥルコール
生年月日 1998年10月21日(27歳)
出身地 イズミット(トルコ)
身長 173cm
ポジション 左ウィング/ワイドMF
所属クラブ フェネルバフチェ(2025年〜)
代表通算 51試合・15ゴール(2026年3月31日時点)

ユース時代と下積みの日々

ケレム・アクトゥルコールは2011年にゴルジュクスポルのユースに入り、その後イスタンブル・バシャクシェヒルのアカデミーへ移籍した。2015年に16歳でプロ契約を結んだものの、アブドゥッラー・アヴジやエムレ・ベロゾールが権威を振るう厳しい序列の中で出場機会を与えられず、4年間で公式戦出場はゼロ。のちのインタビューでは「あの4年間は人生を盗まれた時間だった。父に『サッカーを辞める』と言ったこともある」と吐露している。2016年にボドルムスポルへのレンタルで下部リーグデビューを果たし、以降はカラジャベイ・ベレディイェスポル(2018年)、24エルジンジャンスポル(2019年)と渡り歩いた。エルジンジャンスポルでは1シーズン34試合20得点という圧倒的な数字を残し、2020年の昇格プレーオフでは自身初のハットトリックも達成。この活躍がガラタサライのスカウト陣の目に留まり、同年9月に無償トレードでスュペル・リグへの扉を開いた。

ガラタサライ時代(2020〜2024年)

ガラタサライでの4シーズンはケレム・アクトゥルコールの名を世界に轟かせた期間である。2020年11月にトップチームデビューを果たすと、翌2021年4月にはゲズテペ戦でハットトリックを達成。2021-22シーズンは全コンペティションで13ゴール13アシストという成績を残し、スュペル・リグ年間最優秀選手賞を受賞した。52試合出場はクラブ史上最多記録でもある。2022-23シーズンはマウロ・イカルディとの連携が機能し、旧クラブのバシャクシェヒルを相手に7-0の一戦でハットトリックを叩き込んだ。シーズン終盤にはアシスト部門の最多記録を更新し、ガラタサライの23回目のリーグ優勝に貢献。2023-24シーズンにはUEFAチャンピオンズリーグでマンチェスター・ユナイテッドのホーム(オールド・トラッフォード)でゴールを決め、返す刀でホームゲームでの同点弾がリーグ週間ゴールに選出された。同シーズンは12ゴール7アシストでガラタサライの通算102ポイントという最多勝ち点での優勝に大きく貢献し、クラブの副キャプテンとしても責任を担った。

ベンフィカ時代(2024〜2025年)

2024年9月、ケレム・アクトゥルコールは移籍金1200万ユーロ(将来の売却益の10%も含む)でポルトガルの名門ベンフィカに加入した。デビュー戦のサンタ・クラーラ戦で早速ゴールを決め、チャンピオンズリーグでもレッドスター・ベオグラード戦で得点を記録するなど、新天地への適応は驚くほど速かった。加入後7試合でゴール+アシストが計8と、1964-65年シーズン以来のクラブ記録に並ぶペースで活躍。10月のリオ・アヴェ戦では1試合ハットトリックを達成し、プリメイラ・リーガ9月・10月の月間最優秀選手賞と最優秀フォワード賞を同時受賞した。2025年1月にはタサ・ダ・リーガ決勝でスポルティングCPを下し、クラブ初タイトルも手にしている。2025年夏に古巣のライバルクラブであるフェネルバフチェへの移籍金2250万ユーロでの移籍が成立し、1シーズンでリスボンを去った。

フェネルバフチェ移籍と2025-26シーズン

2025年9月1日、ケレム・アクトゥルコールはフェネルバフチェと4年契約を締結した。かつてのライバルクラブへの移籍は国内で大きな話題を呼んだが、本人はピッチ上で即座に結果を出してみせた。ヨーロッパリーグでのOGCニース戦2得点、リーグでのカイセリスポル戦、そして2026年2月にはノッティンガム・フォレストとのアウェー戦で2ゴールを記録するなど、コンスタントなパフォーマンスを維持した。フェネルバフチェでは背番号9を着用し、マルコ・アセンシオらとの連携も機能。2025-26シーズンは欧州・リーグ合算で44試合15得点という数字を積み上げ、ワールドカップ直前のコンディションとしては申し分のない状態で北中米の舞台に向かった。

トルコ代表でのキャリア

ケレム・アクトゥルコールは2021年5月にアゼルバイジャン戦で代表デビューを果たした。同年6月のUEFAユーロ2020では招集されたものの出場機会なし。代表初ゴールは2021年10月のノルウェー戦(1-1ドロー)で記録された。2024年のUEFAユーロ2024ではグループ初戦のジョージア戦でゴールを決め、トルコはベスト8に進出している。同年9月にはUEFAネーションズリーグのアイスランド戦で代表初のハットトリックを達成した。2026年FIFAワールドカップ欧州予選プレーオフの決勝、コソボとのアウェー戦では53分に決勝点を叩き込み、トルコに2002年大会以来24年ぶりのワールドカップ出場権をもたらした。この一撃でケレム・アクトゥルコールはトルコサッカー史に刻まれる存在となった。

2026 FIFAワールドカップ グループD

トルコはFIFAワールドカップ 2026のグループDに入り、オーストラリア・パラグアイ・開催国アメリカと同組となった。ヴィンチェンツォ・モンテッラ監督はアルダ・ギュレルやケナン・ユルドゥズとともにケレム・アクトゥルコールを攻撃のキーマンと位置付けた。しかし結果は芳しくなく、6月14日のオーストラリア戦で0-2と敗れ、20日のパラグアイ戦も0-1で落とし、トルコはグループステージ2試合で早期敗退が確定した。大会全体で2番目に早いグループステージ敗退となり、24年ぶりの本大会出場は苦い結果に終わった。ケレム・アクトゥルコールは2試合に出場したが、チームとしてのパフォーマンスが振るわず、持ち味を発揮する場面は限られた。

プレースタイルと特徴

ケレム・アクトゥルコールの最大の武器はドリブルと俊敏性にある。左ウィングを主戦場とし、相手の守備ラインと並行して走りながら内側へのカットインでシュートコース、またはスルーパスを創出するパターンが最も多い。左右両足から精度の高いクロスを供給できる点も対戦相手にとっての脅威であり、カウンターアタックでの深さを作る能力も高い。戦術的な適応力も高く、攻撃的MFやセカンドストライカーとしてもプレーできる。もう一つの特徴として知られるのが「エクスペリアームス」のゴールセレブレーションである。2021年7月にガラタサライの赤黄ユニフォームと丸眼鏡の姿がハリー・ポッターのグリフィンドール衣装に似ていると指摘され、ファンから「ケレム・ポッター」のニックネームが定着。2021年12月のフェネルバフチェ戦でハリー・ポッターの魔法を模したポーズをゴール後に披露し、そのセレブレーションは以降のトレードマークとなった。

社会活動

ケレム・アクトゥルコールは2023年のトルコ・シリア大地震の際に積極的な支援活動を行った。「ウィー・アー・トゥゲザー」キャンペーンに参加し、被災者の受け入れを呼びかけるとともに、最も被害が深刻だったハタイへ自ら赴いて現地支援にあたった。バシャクシェヒル戦のハットトリックの試合球はチャリティーオークションに寄贈し、売却益を被災地支援に充てている。このような行動の背景には、自身が生後間もなく1999年のイズミット地震の被災者であったという原体験があると本人は語っている。トルコ代表のエースとして国民的な知名度を持つケレム・アクトゥルコールの発信は、大きな社会的影響力を持っている。

主な経歴・受賞歴

ケレム・アクトゥルコールはクラブ・個人両面で数多くの実績を持つ。ガラタサライでは2022-23・2023-24シーズンのスュペル・リグ連覇に貢献し、ベンフィカでは2025年のタサ・ダ・リーガ優勝を達成している。UEFAチャンピオンズリーグでもマンチェスター・ユナイテッド戦でのゴールなど欧州舞台でも実力を示した。

  • スュペル・リグ優勝:2022-23、2023-24シーズン(ガラタサライ)
  • タサ・ダ・リーガ優勝:2024-25シーズン(ベンフィカ)
  • トルコ・スュペル・カップ優勝:2025年(フェネルバフチェ)
  • スュペル・リグ年間最優秀選手賞:2021-22シーズン
  • スュペル・リグ最多アシスト:2022-23シーズン
  • スュペル・リグ・ベスト11:2022-23シーズン
  • プリメイラ・リーガ月間最優秀選手賞:2024年9月・10月(ベンフィカ)
  • プリメイラ・リーガ月間最優秀フォワード賞:2024年9月・10月(ベンフィカ)
  • UEFA欧州選手権2024出場(トルコ代表・ベスト8)
  • FIFA ワールドカップ 2026出場(トルコ代表)

クラブ歴

アマチュアリーグから這い上がったケレム・アクトゥルコールのキャリアは、諦めなければ道は開けるという典型例として語り継がれる。バシャクシェヒルのユースで燻り、下部リーグを3クラブ転々とした後に頂点へと至った軌跡は、トルコ代表の若手選手にとっての精神的な支柱ともなっている。ガラタサライで一時代を築き、ベンフィカで欧州の舞台でも通用することを証明した後、因縁のフェネルバフチェへ移籍するという劇的な展開も、ケレム・アクトゥルコールという選手の魅力を象徴している。

在籍期間 クラブ 備考
2015-2018 イスタンブル・バシャクシェヒル 公式戦出場なし
2016-2017 ボドルムスポル(レンタル) 27試合4得点
2018-2019 カラジャベイ・ベレディイェスポル 35試合3得点
2019-2020 24エルジンジャンスポル 34試合20得点
2020-2024 ガラタサライ 179試合46得点
2024-2025 ベンフィカ 58試合17得点
2025- フェネルバフチェ 44試合15得点(2025-26シーズン)

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