FIFA ワールドカップ 2026 ペタル・ラトコフ
ペタル・ラトコフ(Petar Ratkov、セルビア語キリル文字:Петар Ратков、2003年8月18日生まれ)は、セルビア出身のプロサッカー選手である。ポジションはセンターフォワード。イタリア・セリエAのSSラツィオに所属し、身長193cmの長躯を活かした空中戦とフィジカルの強さを武器に、欧州で急速に評価を高めている若手ストライカーである。2023年6月にRBザルツブルクへ移籍してオーストリアリーグで頭角を現し、2026年1月には1300万ユーロでラツィオへ完全移籍した。FIFA ワールドカップ 2026においてセルビアは欧州予選グループKで3位に終わり本大会出場を逃したため、ラトコフは北中米大会への出場権を手にすることができなかった。しかし2003年生まれの22歳という年齢は次回以降のワールドカップに向けた大きな可能性を示しており、セルビアの次世代エースとして注目を集めている。
選手プロフィールと身体的特徴
ペタル・ラトコフは2003年8月18日、セルビアの首都ベオグラードで生まれた。身長193cm、利き足は右足で、背番号20をつけてラツィオでプレーする。民族的背景はブルガリア系とクロアチア系の混血であり、セルビアとブルガリアの二重国籍を保有している。母方の血筋からクロアチア代表資格も有していたが、2023年9月にブルガリア代表からの招集を断り、セルビア代表でプレーすることを公言した。CIESフットボール・オブザーバトリーが実施した欧州32リーグのU-20フィールドプレイヤー上位100人ランキングでは79位に選出されており、フィニッシングを主軸としたターゲットマン型ストライカーとして分類されている。
クラブキャリア
ペタル・ラトコフのクラブキャリアはベオグラードの育成クラブDIFベオグラードで始まり、2020年にTSCバチュカ・トポラへ移籍して本格的にトップチームデビューを果たした。TSCでのセルビア・スーパーリーガ在籍3シーズン(2020〜2023年)で通算81試合17ゴールを記録し、若手有望株として欧州スカウトの注目を集めた。2023年6月、オーストリア・ブンデスリーガを制したRBザルツブルクへ5年契約で完全移籍。ザルツブルクでは若手選手の登竜門として名高い同クラブの育成環境の中で急成長を遂げ、2025-26シーズンのオーストリア・ブンデスリーガでは17試合9ゴール3アシストという高い数字を残した。この活躍が評価され、2026年1月8日、セリエAのSSラツィオへ1300万ユーロで移籍した。移籍後のセリエAでは適応段階にあったが、22歳の若さでイタリアのトップリーグに加わったことは彼のキャリアにとって大きな飛躍となった。
RBザルツブルク時代の成長
RBザルツブルクはエルリング・ハーランドやサディオ・マネを輩出した若手育成の名門であり、ペタル・ラトコフもこの環境で大きく飛躍した。特に2025-26シーズンのオーストリア・ブンデスリーガでは17試合で9ゴールをマークし、カップ戦も含めると同シーズン全競技合計で12ゴール以上を記録した。UEFAチャンピオンズリーグにも出場経験を持ち、欧州の大舞台での経験を着実に積んだ。ゴール決定率の高さとポストプレーの能力が評価され、ラツィオという伝統ある欧州クラブへのステップアップにつながった。
セルビア代表でのキャリア
ペタル・ラトコフはセルビアU-19、U-21と段階を踏み、2023年にセルビアA代表デビューを果たした。ブルガリアおよびクロアチア代表資格も有していたが、「セルビアしか考えていなかった」と本人がメディアに語るほど、セルビア代表への強いこだわりを示した。UEFA EURO 2024のセルビア代表メンバー26名に選出されたが、同大会では出場機会を得られなかった。代表でのゴールはまだなく(2024年時点で3試合出場・無得点)、ドゥシャン・ヴラホヴィッチやアレクサンダル・ミトロビッチという実績ある先輩ストライカーたちとのポジション争いが続いている。UEFAネーションズリーグ2024-25でも代表に名を連ねており、セルビアの攻撃陣における次世代の柱として着実に地位を築きつつある。
FIFA ワールドカップ 2026 欧州予選とセルビアの敗退
セルビア代表はFIFA ワールドカップ 2026への出場を逃した。欧州予選グループKでイングランドが首位、アルバニアが2位でそれぞれ直接出場権を獲得したのに対し、セルビアは勝ち点でアルバニアと僅差の3位に終わった。最終節のウェンブリー(対イングランド戦)での敗戦が出場権獲得の望みを断つ形となった。この結果、ヴラホヴィッチやミトロビッチ、セルゲイ・ミリンコビッチ・サビッチら主力を擁するセルビアは北中米大会への切符を手にすることができず、2022年カタール大会に続いての出場となる可能性は消えた。ペタル・ラトコフにとってもワールドカップ出場という目標は次回以降に持ち越しとなったが、2030年大会時点でもまだ26歳と若く、長期的なセルビア代表の核になりうる存在として期待されている。
プレースタイルと特徴
ペタル・ラトコフのプレースタイルは、193cmという長身を活かした空中戦と身体的な強さを中核に据えたターゲットマン型のストライカーである。CIESの分析によれば、フィニッシング能力が最も高い評価を受けており、ゴール前でのポジショニングと決定力が際立つ。右足を主に使うが、フィジカルコンタクトの強さと周囲との連動性も高く、単なる「高さ」だけでなくポストプレーや動き出しの鋭さも備えている。オーストリア・ブンデスリーガでの2025-26シーズンには90分換算で0.72ゴールという高いスコアリングレートを記録し、35本のシュートのうち約半数が枠内に飛ぶシュート精度も示した。欧州トップクラブでの経験を積み重ね、次世代のセルビアを牽引するエースストライカーとして成長が期待されている。
多重国籍と代表選択
ペタル・ラトコフの出自は複雑で、父方にブルガリア系、母方にクロアチア系の血筋を持つ。セルビアとブルガリアの二重国籍を保有しており、母方の出自からクロアチア代表資格も有していた。2023年9月、ブルガリア代表のクラスタイッチ監督からの招集を正式に断り、セルビア代表でプレーする意志を明確にした。本人はセルビア語メディアのインタビューで「クロアチアやブルガリアからのオファーがあったが、自分が望んでいたのは常にセルビアだけだった」と述べており、代表選択における強い意志を示した。このような背景から、セルビア国内でも代表への献身性が高く評価されている。将来的にセルビアがFIFAランキングを上昇させ、ワールドカップへ返り咲く際には、ラトコフが中心的役割を担うことが期待される。
キャリア通算成績
ペタル・ラトコフの通算クラブ成績(2026年4月時点)は188試合39ゴールであり、そのうちリーグ戦147試合33ゴールを記録している。セルビア・スーパーリーガ時代(TSC)には81試合17ゴール、オーストリア・ブンデスリーガのRBザルツブルク時代には99試合22ゴールを積み重ねた。UEFAチャンピオンズリーグでは23試合に出場している。代表A代表では2023〜2024年にかけて3試合に出場しているが、ゴールはまだない。以下にクラブ別の主な成績をまとめる。
| クラブ | 在籍期間 | リーグ | 試合 | ゴール |
|---|---|---|---|---|
| TSCバチュカ・トポラ | 2020-2023 | セルビア・スーパーリーガ | 76 | 16 |
| RBザルツブルク | 2023-2026 | オーストリア・ブンデスリーガ | 63 | 17 |
| SSラツィオ | 2026- | セリエA | 8 | 0 |
セルビア代表の再建と次世代への期待
セルビアがFIFA ワールドカップ 2026の出場権を逃したことは、世代交代の加速を促す契機ともなりうる。ミトロビッチやタディッチらベテラン勢が代表の中心を担ってきた体制から、ヴラホヴィッチやペタル・ラトコフら若手への移行期が本格化する可能性がある。ラトコフは2030年大会時点でも26歳であり、次回以降のワールドカップ予選ではセルビア攻撃陣の主軸を担う立場が見込まれる。ラツィオでセリエAの経験を積み、欧州トップリーグの激しさに対応していくことができれば、代表での爆発的な活躍が期待される。次回大会に向けたセルビアの予選突破と、ラトコフのさらなる成長が重なる時、セルビアサッカーにとって新たな黄金期の幕が開くかもしれない。
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