FIFA ワールドカップ 2026 エリアス・アシュリ
エリアス・アシュリ(Elias Achouri、アラビア語:مُحَمَّد إِلْيَاس عَاشُورِيّ、1999年2月10日生まれ)は、フランス領レユニオン島サン=ドニ出身のプロサッカー選手である。デンマーク・スーペルリーガの名門FCコペンハーゲンに所属し、ポジションはフォワード。チュニジア国籍を持ち、チュニジア代表として2026 FIFAワールドカップのメンバーに選出されている。父親がチュニジア人、母親がアルジェリア人という出自を持ち、フランスで育ちながらチュニジア代表としての道を選んだ。左サイドからのカットインとスピードを活かしたドリブル突破を武器とする直接的な攻撃プレーヤーで、2026 FIFAワールドカップのグループFにおいてチュニジアの攻撃の中核を担う選手として注目される。
プロフィールと出自
エリアス・アシュリは1999年2月10日、フランスの海外県であるレユニオン島のサン=ドニで誕生した。身長177cm、体重68kgという体格は、スピードとアジリティを重視するウインガーとしてバランスのとれた体格である。父親がチュニジア出身、母親がアルジェリア出身という複数のルーツを持ちながら、フランスの地で育った経緯から、アシュリはフランス語、アラビア語の両方に親しんでいる。国籍の選択においては最終的にチュニジア代表を選び、アフリカ大陸を代表する選手として2022年にA代表デビューを果たした。
クラブキャリア
アシュリはフランスの名門サンテティエンヌの下部組織でキャリアをスタートさせた。その後2016年にポルトガルのヴィトーリアSCの育成組織へ移籍したものの、トップチームへの定着は叶わず、複数のクラブを渡り歩く時期が続いた。転機となったのは2021-22シーズンで、ポルトガル2部リーグのトロフェンセに期限付き移籍し、同シーズンで9得点を記録して評価を高めた。この活躍が評価され、2022年8月にデンマーク1部のヴィボーFFへ完全移籍。ヴィボーFFでは24試合で6得点7アシストという結果を残し、2023年7月にデンマーク15度のリーグ優勝を誇る名門FCコペンハーゲンへ当時のヴィボーFF史上最高額の移籍金で加入した。2024年8月には契約を2028年夏まで延長し、クラブへの定着を強固なものにしている。
UEFAチャンピオンズリーグでの活躍
FCコペンハーゲンは2025-26シーズンのUEFAチャンピオンズリーグに出場し、アシュリもリーグフェーズで出場機会を得た。ビリャレアル戦では途中出場から得点を記録するなど、欧州最高峰の舞台でもその実力を示した。デンマーク・スーペルリーガの2025-26シーズンでは19試合出場3得点を記録しており、チームの攻撃に貢献している。
チュニジア代表としての歩み
アシュリは2022年6月2日、アフリカネイションズカップ予選の赤道ギニア代表戦でチュニジア代表デビューを飾った。代表では主にフォワードとして起用され、左サイドからの攻撃や中央へのカットインを担う。2025年12月のアフリカ・ネーションズカップ(AFCON)グループステージのウガンダ代表戦では、前半にボレーシュートで追加点を挙げ、後半にもこぼれ球を押し込んで1試合2得点の活躍を見せた。代表チームではエリス・スキリやハンニバル・メイブリといった主力とともに攻守のバランスを担う存在として評価されている。
2026 FIFAワールドカップへの道
チュニジアは2026 FIFAワールドカップ・アフリカ予選のグループHで10試合を戦い、22失点無しの圧倒的な内容で首位突破を果たし、3大会連続7回目の本大会出場権を獲得した。アシュリは2026年5月15日に発表されたチュニジアの26人のワールドカップ選出メンバーにフォワードとして名を連ねている。チームは2026年6月にメキシコのモンテレイ入りし、本大会に備えた。グループFではチュニジアはオランダ、日本、スウェーデンと同組に振り分けられており、史上初のベスト16進出をかけた戦いに臨む。
グループFの対戦相手と展望
チュニジアが属するグループFは、データ会社Optaによる難関度格付けで全グループ中3番目に難しいとされる「死の組」に近い構成となっている。チュニジアはFIFAランキング40位前後に位置し、オランダや日本と比較するとランク下に位置するものの、アフリカ予選を10試合無失点で首位突破した実力と組織力は侮れない。エリス・スキリ(フランクフルト)が中盤の核、ハンニバル・メイブリ(バーンリー)が創造性を担い、エリアス・アシュリが直接的な攻撃脅威をもたらすという役割分担が明確である。チュニジア初戦はスウェーデンとの対戦で、第2戦が日本代表との対戦となる。
- グループF・第1節(6月15日):スウェーデン vs チュニジア(モンテレイ)
- グループF・第2節(6月20日):チュニジア vs 日本(モンテレイ)
- グループF・第3節:チュニジア vs オランダ
プレースタイルと特徴
エリアス・アシュリの最大の武器は、左サイドからの鋭いカットインと緩急を使ったドリブル突破である。スピードとステップワークを組み合わせた1対1の打開力に優れ、相手ディフェンダーとの間合いを詰めてからの素早い方向転換で局面を打開する。サンテティエンヌの育成組織で培ったフランス流のテクニカルな基礎技術と、ポルトガル・デンマークでの実戦経験によって磨かれた実用的な判断力が組み合わさっている。また左サイドからのカットインだけでなく、ワンツーパスを交えたコンビネーションプレーやボレーシュートなど、多彩な得点パターンも持ち合わせる。チュニジア代表においては、スキリとメイブリが構築する組織的な守備ブロックから素早くカウンターに転じる際の推進役としての役割が求められている。
複数の文化的背景
フランス生まれ、チュニジア人の父とアルジェリア人の母を持つアシュリの経歴は、現代のアフリカ系欧州選手の典型的な多文化的背景を体現している。サンテティエンヌからポルトガル、そしてデンマークの名門クラブへと辿り着いたキャリアパスは、欧州リーグの中でも比較的マイナーなルートでスターダムに上り詰めた点で異色といえる。チュニジア代表を選んだ決断は、アフリカ系選手がアフリカ代表でプレーすることへの誇りと、チュニジアの歴史的なワールドカップ初ベスト16進出という夢に向けた挑戦への意欲を示している。FIFAワールドカップという最大の舞台で、アシュリは自身の複合的なルーツをチュニジア代表の力に変えようとしている。
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