LIBOR|ロンドン市場での銀行間金利

LIBOR

LIBOR(ライボー、London Interbank Offered Rate)とは、ロンドン市場で大手銀行が他の銀行に資金を貸し出す際の金利のことであり、国際的に広く利用されてきた短期金利の指標である。LIBORは、各通貨ごとに異なる期間(翌日物から1年まで)の金利が毎日設定され、さまざまな金融商品や契約の基準金利として使われていたが、近年、LIBORの廃止が進行しており、他の代替金利に置き換えられつつある。

LIBORの仕組み

LIBORは、毎日特定の時間に、ロンドン市場で複数の国際的な大手銀行が提示する貸出金利を集計して算出される。この金利は、各銀行が他の銀行に資金を貸し出す際に適用する想定の金利であり、その平均値がLIBORとして公表される。LIBORは5つの主要通貨(米ドル、ユーロ、英ポンド、日本円、スイスフラン)に対応しており、1日、1週間、1か月、3か月、6か月、1年といった異なる期間の金利が設定される。

LIBORの利用

LIBORは、さまざまな金融商品の金利を決定する基準として利用されてきた。例えば、次のような商品や契約でLIBORが基準金利として使用されている。

  • ローンや住宅ローン:変動金利型の住宅ローンや企業向けローンで、LIBORに一定の利幅を加えた金利が適用されることがある。
  • 債券:一部の債券や社債で、LIBORに連動した金利が設定されることがあり、投資家はこれに基づいて利回りを受け取る。
  • デリバティブ取引:LIBORは、金利スワップや先物取引など、金融派生商品の基準金利としても使われる。

LIBOR廃止の背景

LIBORは長年にわたり信頼されてきた金利指標だったが、2012年にLIBORの操作問題(LIBORスキャンダル)が発覚し、金融機関が自らの利益のために金利を操作していたことが明らかになった。この問題を契機に、LIBORの信頼性が大きく揺らぎ、世界の金融規制当局はLIBORに代わる新しい金利指標を導入する方針を打ち出した。

その結果、LIBORは2021年末に一部通貨・期間での公表が終了し、2023年6月末には米ドルLIBORも廃止された。これにより、LIBORに代わる金利指標が導入され、多くの金融契約が新たな基準金利に移行している。

LIBORの代替金利

LIBORに代わる金利指標として、各国で新しい基準金利が導入されている。主な代替金利には以下のものがある。

  • SOFR(米ドル):米国ではSOFR(Secured Overnight Financing Rate)がLIBORに代わる基準金利として採用されている。SOFRは、米国債を担保としたレポ取引の金利を基に算出される。
  • €STR(ユーロ):欧州では€STR(Euro Short-Term Rate)がユーロ圏の代替金利として導入されている。
  • SONIA(英ポンド):イギリスではSONIA(Sterling Overnight Index Average)が新たな基準金利として使用されている。
  • TONA(日本円):日本ではTONA(Tokyo Overnight Average Rate)が日本円の短期金利指標として利用されている。

LIBOR廃止の影響

LIBORの廃止に伴い、金融市場や企業、個人にさまざまな影響が及んでいる。特に、LIBORを基準にしていたローンや金融商品は、新しい基準金利に基づいて契約の見直しが行われている。

  • 金融契約の変更:LIBORを基準にしていた多くのローン契約やデリバティブ取引が、新しい基準金利に移行する必要があり、契約条件の見直しが進められている。
  • 金融システムの調整:LIBOR廃止により、金融システム全体の運用や規制が変更され、各金融機関は新たな基準に適応するための準備を進めている。

LIBORの廃止後のリスク

LIBOR廃止後も、新しい金利指標に移行する際のリスクには注意が必要である。たとえば、金融商品やローン契約の金利が新たな指標に基づいて設定される場合、利息負担や収益が変動する可能性があるため、これに対する適切な対策が求められる。