単純承認|全財産と債務を無条件で引き継ぐ相続

単純承認

単純承認とは、相続において、被相続人(故人)の全ての財産と債務を無条件に承継することを意味する。相続人が単純承認を選択すると、遺産のプラスの財産だけでなく、マイナスの財産(債務)も全て引き継ぐことになる。この選択肢は、相続の一形態であり、特に相続財産が債務を上回る場合に選ばれることが多い。

単純承認の仕組み

単純承認は、相続人が相続財産の全てを無条件で受け入れる意思表示を行うことで成立する。法的には、相続の開始後、相続人が特に何も手続きを行わない場合、自動的に単純承認が適用される。このため、相続財産が債務を含んでいる場合、相続人はその全額を返済する義務を負うことになる。また、相続人が相続財産を処分する行為や相続放棄の期限を過ぎた場合にも、単純承認が成立する。

単純承認のメリットとデメリット

単純承認のメリットは、相続手続きが簡素である点である。相続人は特別な手続きを行う必要がなく、迅速に相続財産を承継できる。一方で、デメリットとしては、相続財産に多額の債務が含まれていた場合、その全てを引き継ぐリスクがある。このため、相続人が債務の存在に気づかずに単純承認を行ってしまうと、後で大きな負担を背負う可能性がある。

単純承認と他の相続方法

単純承認の他に、相続人が選択できる相続方法として、「限定承認」と「相続放棄」がある。限定承認は、相続財産の範囲内でのみ債務を引き継ぐ方法であり、相続財産がプラスであれば相続人に利益が残り、マイナスであれば債務は財産の範囲内で精算される。相続放棄は、全ての相続財産と債務を放棄する方法であり、相続人は一切の財産や債務を承継しない。

単純承認を選択する際の注意点

単純承認を選択する際には、被相続人の財産や債務の全容を把握することが重要である。特に、見落とされがちな債務の存在に注意し、相続することが本当に有利かどうかを慎重に判断する必要がある。また、相続手続きの期限を過ぎると自動的に単純承認となるため、期限内に他の相続方法を検討し、必要な手続きを行うことが求められる。