タートルスープ|ブレイクアウトの失敗を狙う短期トレード手法

タートルスープ

タートルスープとは、テクニカル分析の世界で短期的な相場の反転を狙うトレード手法である。元々は有名な“Turtle Trading”のコンセプトから着想を得たとされ、主に相場のブレイクアウトが一時的に失敗したタイミングを捉えることで利益を狙う点が特徴的である。多くの場合、一定期間内の最高値や最安値を更新しようとした動きが急に反転した際にエントリーする戦略として知られ、株式やFX、先物など幅広い市場で応用されている。ブレイクアウト手法が数多く存在する中でも、反転狙いという独特の視点を持つことから、投資家の注目を集めている。

背景

このタートルスープという名称は、有名な“Turtle Trading”の手法をアレンジしたことに由来すると言われる。“Turtle Trading”はリチャード・デニスとウィリアム・エックハートが開発したトレンドフォロー手法であり、新高値や新安値へのブレイクアウトが継続する前提でエントリーする。しかし市場では、ブレイクアウトが成功しないまま反転してしまうケースも少なくない。そこで、この失敗したブレイクアウトを逆手に取って仕掛ける手法としてタートルスープが考案され、トレンドの変わり目を短期的に捉える狙いが注目されるようになったのである。

理論的特徴

ブレイクアウトが成功しない背景には、市場参加者の心理や出来高の偏りなど複数の要因が存在する。そこでタートルスープでは、直近の高値や安値を更新しようとする価格帯で売買が一時的に集中し、結果的に反転が起こると想定してエントリーのシグナルを探す。トレード判断には、日足や短期足などで設定した一定期間の高値・安値を監視し、その更新が確認された後の値動きを詳細に見極める必要がある。理論上は反転直後にポジションを取るため、小さな損失で済む一方、ブレイクアウトが再度成功してしまうリスクも伴う。

エントリー手法

代表的なタートルスープのエントリー手法としては、まず一定期間(例として20日間)の高値または安値を更新した後、次の足で価格が更新幅内に戻ってきたタイミングを狙う。たとえば20日間の最高値を一瞬超えたものの、次のローソク足でその最高値より下に押し戻された場合、ブレイクアウトが失敗した可能性が高いとみなす。ここでショート(売り)ポジションを取ることで、短期的な反転を捉えようとするわけである。ロング(買い)の場合はこれと逆の条件が適用され、20日間の最安値を下に抜けてから反転して元の価格帯に戻った瞬間にエントリーする。

損切りと利確

タートルスープは失敗ブレイクアウトの直後を攻める戦略であるため、損切りと利確のルールを明確化しておくことが肝要である。損切りはエントリーの根拠となる価格帯を再度突破した時点で潔く行うことが推奨され、ショートなら直近の高値、ロングなら直近の安値を越えたら即座に手仕舞う。また利確については、相場のボラティリティや移動平均線の傾きなどを参考に、数日の保有で終える場合と、さらに短期トレンドが確立するまで引っ張る場合がある。ただし、相場が急激に変動した際には利確も柔軟に行う方が無難とされる。

他の手法との比較

タートルスープはブレイクアウト手法の逆張り的アプローチであるため、トレンドフォローを前提にする“Turtle Trading”や他の順張り手法とは根本的に異なる。一方で、ボリンジャーバンドやRSIなどの指標を活用する逆張り手法と組み合わせることで、精度の高いエントリータイミングを見極められる可能性がある。特に、日本市場などでありがちな「直近高値更新→失敗→反転」のパターンを想定した場合、この手法は短期トレーダーにとって魅力的な選択肢となる。しかし、相場の出来高が薄い時期や急激にトレンドが再開するような場面では損失が増大する恐れもあるため、相場状況に応じた応用が求められる。

注意点

実際にタートルスープを用いる際には、想定しているブレイクアウトの失敗パターンが発生しないことも多い点に留意が必要である。むしろ、ブレイクアウト後の押しや戻りが小さく再度大きく伸びてしまうケースでは、タイミングを見誤ると損失につながる。また、米国株やFXなど取引時間が長い市場では、一度のブレイクアウト失敗がその後のトレンド再始動につながることもあるため、エントリー後も短期足による綿密な監視が不可欠である。こうした背景から、実際の運用では他のテクニカル指標や資金管理手法を併用しながら検証を重ねることが推奨される。

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