サンクコスト|取り戻せない過去の支出

サンクコスト

サンクコスト(Sunk Cost)とは、既に支出され、取り戻すことができないコストのことを指す。このコストは、今後の意思決定には関係がなく、現時点で回収不能なため、経済的な分析や判断において考慮すべきでないとされる。サンクコストの概念は、特にビジネスや投資において重要であり、無駄な支出を続けることを避けるために正しい判断を下すための指針となる。

サンクコストの具体例

サンクコストの典型的な例として、映画のチケットを購入したが、その映画が期待はずれだった場合が挙げられる。この場合、チケット代は既に支出されており、取り戻すことはできない。そのため、映画がつまらないと感じた場合でも、「お金を無駄にしたくない」という心理で最後まで鑑賞しようとするが、これがサンクコストの誤った影響を受けた判断である。同様に、企業が失敗したプロジェクトにさらに投資を続けることも、サンクコストの典型的な影響といえる。

ビジネスにおけるサンクコスト

ビジネスにおいて、サンクコストを無視することは重要な戦略である。例えば、新製品の開発に多額の資金を投入したが、開発途中で市場ニーズが変化し、利益を見込めなくなった場合、追加の投資を行わず、損失を最小限に抑えることが理想である。しかし、これまでの投資額を考慮してプロジェクトを続行する決定をすることは、サンクコストに囚われた誤った判断である。経済的な意思決定では、これからのコストと利益を基に合理的な判断を下すことが求められる。

心理的な影響

サンクコストが意思決定に影響を与える主な要因は、人間の心理である。「もったいない」という感情や、これまでの努力や資金を無駄にしたくないという心理が、サンクコストの影響を受けた非合理的な行動を促す。これは「サンクコスト錯誤」とも呼ばれ、既に支出されたコストに基づいて、将来の行動を決定する傾向が強まることで発生する。この心理的な影響により、経済的に不利な選択を続けてしまうリスクがある。

サンクコストの回避策

サンクコストの影響を避けるためには、まず、そのコストが既に回収不能であることを認識することが重要である。意思決定の際には、これから発生するコストと得られる利益に焦点を当て、過去の支出に囚われないようにする。また、客観的な視点を持つことで、冷静な判断ができるようになる。企業では、サンクコストに基づいた判断を避けるため、定期的なプロジェクト評価や第三者の意見を取り入れることも有効である。