キャパシタ
キャパシタは電荷を蓄える電子部品の一種で、コンデンサとも呼ばれる。電極と誘電体から構成され、外部回路から加えられた電気エネルギーを一時的に蓄積できる仕組みを持つ。電源の安定化や交流信号の整流、デカップリングなど多彩な用途があり、半導体回路や電源回路をはじめとして、家庭用電子機器から産業用システムまで幅広く用いられる。小型のセラミックコンデンサやアルミ電解コンデンサ、大容量のスーパーキャパシタなど種類も豊富で、それぞれ特有の特徴を生かした使い分けが求められる。回路設計においては容量や耐電圧、ESR(Equivalent Series Resistance)などのパラメータが重要視され、誤った選定は装置の性能や安全性を損ねる恐れがある。
基本構造
キャパシタは一般的に二つの電極を誘電体という絶縁物質で挟んだ構造を持つ。金属箔や薄膜を用いて電極を形成し、その間に酸化物や樹脂、セラミックなどの誘電体を挟むことで、外部から加えられた電圧に対して電荷を蓄積できる。電極の面積と誘電体の厚み、そして誘電体自体の比誘電率によって容量が決定される。このような単純な構成ながら、多様な材料の組み合わせや製造技術の違いにより、性能や寸法、耐久性に差が生まれる。
ハァハァ…電源入らなかったヤマハのオーディオ、秋月でキャパシタ新品発注して交換したら遂に直った…っぽい。長い戦いだった… pic.twitter.com/WKOPJXVcVC
— 鉄コバ (@sigdfeco) March 22, 2025
動作原理
キャパシタに電源をつなぐと、一方の極板に正の電荷、もう一方の極板に負の電荷が蓄えられる。電源を外すと、極板間の電位差を保ったまま電荷が残るため、瞬間的な電流の供給源やノイズ除去の役割を担うことができる。こうした動作はすべて電界によって説明され、誘電体の中で電気が流れないにもかかわらず、電界が形成されることによってエネルギーが保持される。一定時間が経過すると内部抵抗などの影響により徐々に放電も進むが、正しく選定すれば回路に必要な安定性や応答特性を与えられる。
キャパシタ貯蔵
動作原理
・交流の電気エネルギーを直流に変換し電解コンデンサ、電気二重層キャパシタ等大容量キャパシタを充電し、静電エネルギーの形で貯蔵
特徴
・応答速度が速く、取り扱える電力が大きい
・エネルギー密度は小さくエネルギー貯蔵量は小さめ
・交流変換器に工夫が必要#電験三種 pic.twitter.com/XEeftoK1OX— 現場・技術系資格取得のSAT株式会社 広報アカウント (@SAT70887543) April 19, 2022
種類と用途
一般にキャパシタは大きく分けてセラミックコンデンサ、フィルムコンデンサ、電解コンデンサ、スーパーキャパシタなどの種類がある。フィルムコンデンサは小型で高周波特性に優れ、スマートフォンなどのモバイル機器に多用される。フィルムコンデンサは安定性が高く、オーディオ機器や高精度回路で使われやすい。電解コンデンサは大容量を実現しやすく、電源平滑などに幅広く利用されるが、極性を持つため逆接続に注意が必要となる。スーパーキャパシタは従来のコンデンサでは実現が難しい大容量を実現し、エネルギーバッファや急速充放電が求められる用途で注目を集めている。
同じ容量値でもキャパシタの種類によってスナバの挙動が変化する、という一例。
積層セラミックコンデンサ、フィルムキャパシタ、セラリンク(TDK)の相対比較波形。
印加電圧依存特性がパワー半導体のスイッチング波形に大きく影響。
後工程のノイズ対応に大きな差がでる部分。
明日から東京出張(涙 pic.twitter.com/GsgyerrbGv— 山本 真義 / Masayoshi YAMAMOTO (@YamamotoPENU) February 5, 2022
パラメータ設計
キャパシタを選ぶ際は、容量値と耐電圧を最初に確認することが多い。容量が不足すると急な負荷変動を吸収できず、逆に大きすぎると回路の立ち上がり特性に影響が出たり、物理的スペースを圧迫する可能性がある。加えてESRの値が大きいと内部損失が増え、発熱や電圧降下を招いて回路動作を不安定にする恐れがある。そのほか、温度特性や寿命、リーク電流などの要因も注意が必要だ。アルミ電解コンデンサの場合は電解液が乾燥して容量が低下する劣化があり、定期的な交換が推奨される場合もある。
キャパシタの活用例
多くの回路でキャパシタは「平滑回路」「バイパス回路」「フィルタ回路」など、電源の安定化や高周波成分の除去に用いられる。パソコンのマザーボードやグラフィックカードにも多数のキャパシタが搭載されており、高速で動作する半導体チップにきれいな電源を供給するために不可欠なパーツとなっている。モータの始動補助やカメラのフラッシュ回路、さらには車載電装系などでも、キャパシタが瞬間的に大電流を蓄えたり放出したりする性能を生かし、機器の信頼性と効率を高める働きを担っている。
ドローンへのワイヤレス給電デモ
電界共鳴方式(空間の伝達エネルギーをキャパシタで実現)を採用
スイッチを押すと、電池を全く搭載していないドローンの羽が回転する
電力を伝送し過ぎて、途中でちょっと飛びそうになってる
実用化が待たれる技術の一つ pic.twitter.com/UUH500h9LR— 山本 真義 / Masayoshi YAMAMOTO (@YamamotoPENU) April 24, 2024
注意点と保守
キャパシタは長期間使用していると、経年劣化や過電圧、過熱などが原因で容量が減少したり内部抵抗が増大したりすることがある。特に電解コンデンサは寿命が比較的短く、電源ユニットなどで不具合が起きる原因になりやすい。高温環境での動作やリップル電流が大きい回路では、容量の余裕を持った選定や放熱設計を考慮する必要がある。また、極性のあるコンデンサを逆に接続すると、内部でガスが発生して破損や破裂を引き起こす可能性があるため、取り扱いには十分に注意したい。