オーバーアロットメント|発行予定の株式数を超えて追加で株式を割り当てる

オーバーアロットメント

オーバーアロットメントとは、株式の公募・売出しなどで、当初予定した募集数量を上回る数量を引受・配分できるようにする実務上の仕組みである。主にIPOや大型の公募増資、既存株主の売出しの場面で用いられ、需給の急変に対応しながら市場での価格形成を円滑にすることを狙う。

仕組み

オーバーアロットメントは、引受証券会社が投資家へ配分する数量を一時的に上乗せし、その後の市場状況に応じて不足分を調整する流れで運用される。上乗せ分は無制限ではなく、あらかじめ上限と条件が定められることが一般的である。

  1. 主幹事を中心とする引受団が、需要動向を踏まえて配分数量を決める。

  2. 配分を増やした場合、引受側には一時的な不足(ショートポジション)が生じうる。

  3. 不足分は、市場での買付け、またはグリーンシューオプションなどの追加取得枠を用いて手当てする。

  4. 結果として、需給逼迫時の過度な上振れ、需給悪化時の急落を抑える方向に働きやすい。

目的と効果

オーバーアロットメントの目的は、募集・売出し直後の需給を安定させ、価格の乱高下を抑えながら市場参加者の取引を円滑にする点にある。供給量を機動的に調整できるため、投資家側では必要な数量を確保しやすくなり、発行体や売出人側では想定外の価格変動リスクを低減しやすい。

  • 需給調整による価格形成の安定化(いわゆる価格安定操作と連動する場面がある)。

  • 流動性の確保による取引の連続性の向上。

  • 需要の強弱に応じた配分の柔軟化。

関連する契約と当事者

オーバーアロットメントは、募集条件や実施方法を明確にするため、引受契約や補足契約により枠組みが規定される。中心となるのは引受証券会社であり、複数社で構成されるシンジケートとして運営されることも多い。投資家への配分は、ブックビルディングなどの需要調査を踏まえて決定され、条件やリスクは目論見書等で情報開示される。

実務上の留意点

オーバーアロットメントは価格形成を支える一方、運用にはルールと透明性が求められる。上乗せ数量の上限、実施期間、買付け方法、開示内容が不十分であれば、市場の公正性への懸念につながる。また、募集後に需給が急速に悪化した場合、調整のための売買が短期的な価格変動を伴うこともあるため、当事者は市場影響を見込みながら慎重に執行する必要がある。

IPO以外での用例

オーバーアロットメントはIPOだけでなく、公募増資や既存株主の売出しなどでも採用されうる。取引規模が大きい局面ほど需給の偏りが生じやすく、配分数量の調整枠があることで、募集直後の取引の連続性と投資家の注文執行のしやすさが確保されやすい。