追い証
追い証(おいしょう、Margin Call)は、証券取引において、特に信用取引や先物取引などで、投資家が一定の証拠金維持率を下回った場合に、証券会社から追加の証拠金を求められることを指す。追い証が発生した場合、投資家は追加の資金を提供するか、もしくはポジションを縮小するなどして証拠金の不足を補わなければならない。
概要と意義
追い証は、信用取引などにおいてリスク管理を目的とした仕組みである。投資家が証券会社に預ける証拠金は、取引を行う上での担保として機能する。しかし、株価の下落や相場の変動によって損失が発生すると、証拠金の価値が減少し、証拠金維持率が規定を下回る場合がある。このような場合、証券会社は投資家に対して、証拠金を追加で供出するよう要求する。これが追い証であり、投資家のリスクを管理し、証券会社の信用リスクを軽減するための重要な役割を果たしている。
追い証の発生条件
追い証が発生する条件は、主に証拠金維持率に関連している。証券会社は通常、証拠金維持率として一定の基準を設けており、これが例えば30%であれば、投資家が保有するポジションの価値がその証拠金の30%を下回った場合に追い証が発生する。株価の急激な下落や市場の急変動などが、追い証発生の主な原因となる。
追い証の対応方法
追い証が発生した場合、投資家は追加で資金を提供するか、保有するポジションの一部を売却して証拠金を補充する必要がある。これを行わない場合、証券会社は強制的にポジションを清算する権利を持つことが多い。強制清算が行われると、投資家はさらなる損失を被る可能性があるため、追い証が発生した際は迅速な対応が求められる。
リスクと影響
追い証は、投資家にとって大きなリスク要因となり得る。特に、相場が急変動する局面では、追い証が連続的に発生し、資金不足やポジションの強制清算が引き金となって、さらなる損失が発生するリスクがある。また、市場全体で追い証が多発すると、投げ売りが相次ぎ、相場全体の急激な下落を招くこともある。
リスク管理の重要性
追い証を回避するためには、適切なリスク管理が不可欠である。投資家は、取引開始前に証拠金維持率を十分に理解し、過度なレバレッジを避けることが重要である。また、相場の動向に注意を払い、適切なタイミングでポジションを調整することも、追い証を防ぐための有効な手段である。