設計ツールの種類|メカ・エレキの設計ツール

設計ツールの種類

設計ツールとは、製品やシステムの設計に使用されるマネジメントツール、ソフトウェアのことを指す。これらのツールは、設計プロセスを効率化し、精度を高めるために活用される。設計の基本ツールは設計仕様書や品質機能展FMEA、PDMがある。ソフトウェアではCADCAEなどは製品の設計や解析シミュレーションをサポートする。

設計書(設計仕様書)

設計書(設計仕様書)とは、設計方針が書かれている書類であり、設計の方針から製品開発に必要な機能を抽出し、その実現方法を明確にする。設計書に基づいて目標品質や性能を定めていく。

QFD

QFD(Quality Function Deployment、品質機能展開)は、顧客の要求や期待を製品設計やサービスに反映させるための品質管理手法である。この手法は、顧客のニーズを明確に理解し、それを製品やサービスの仕様に変換するプロセスを構造化して行うために利用される。

CAD

CADは、製品や部品の詳細な設計図を作成するためのソフトウェアである。3Dモデルや2Dの図面を作成し、設計の検証や修正を迅速に行うことができる。これにより、試作品を作る前に設計上の問題を発見し、製造の手戻りを防ぐことができる。AutoCADやSolidWorksが代表的なツールである。

CAE

CAE(ComputerAidedEngineering;コンピューターによるエンジニアリング)は、設計した製品やシステムの動作をシミュレーションし、性能や耐久性を解析するために使用される。これにより、物理的な試作を行う前に、設計の弱点や問題点を発見し、改善することができる。特に流体解析や構造解析など、複雑な物理現象を解析するために利用されることが多い。ANSYSやAbaqusなどが代表的なCAEである。

電気・電子設計ツール

電気・電子設計ツールは、回路設計やプリント基板(PCB)設計に使用されるソフトウェアである。これらのツールは、電子機器やシステムの設計を効率化し、誤配線や部品配置の不備を事前に防ぐために利用される。

PLM(Product Lifecycle Management)

PLMツールは、製品のライフサイクル全体を管理するためのソフトウェアである。設計から製造、販売、メンテナンス、廃棄までの各プロセスを一元管理し、効率的な製品開発をサポートする。これにより、設計の変更やバージョン管理が容易になり、プロジェクト全体のコストやリードタイムの削減が期待できる。SiemensのTeamcenterやPTCのWindchillが代表的なPLMツールである。

PDM(Product Data Management)

PDM(Product Data Management 製品情報管理)とは、過去の製品の図面情報のデータベースである。PDMシステムには、過去の図面やドキュメントが蓄積されており、多くの流用設計では、それらに基づき性能を決定していく。

E-BOM

E-BOM(Engineering Bill of Materials、エンジニアリング部品表)は、製品の設計段階で使用される部品や材料の一覧を指す。これは、製品の仕様や設計情報を反映したものであり、製造や生産段階の前に、製品の構造や使用される部品を明確にするための基盤として使用される。

DR(デザインレビュー)

DR(Design Review)とは、製品やシステムの設計プロセスにおいて、設計の妥当性や品質を確認するために行われる評価活動である。DRは、設計段階での問題を早期に発見し、設計の改善や修正を行うことを目的としている。これにより、後の開発プロセスにおける手戻りを防ぎ、開発コストやリードタイムの削減が期待できる。

DRBFM

DRBFM(Design Review Based on Failure Mode、失敗モードに基づく設計レビュー)は、品質向上を目的とした設計工程の一環である。この手法は、FMEA(Failure Mode and Effects Analysis、故障モード影響解析)と関連しており、主に製品設計やプロセスにおける潜在的な問題を未然に防ぐために活用される。

FMEA(故障モード影響解析)

FMEAとは、故障モードに基づく影響解析で、過去の故障や失敗に基づいて、その影響を分析し、新しい設計にはこれらを反映しなければならない。設計内容だけでなく、特に量産品では、製造工程での意見を日ごろから蓄積し、新製品ではそれを反映する。

FTA(故障の木解析)

FTA(Fault Tree Analysis)とは、システムの故障や不具合の原因を体系的に解析するための手法である。FTAは、故障や障害の発生に至るまでの要因や条件をツリー状に図示し、システムの信頼性や安全性を評価する際に利用される。

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