立会外分売|通常の取引時間外で行われる株式の売買

立会外分売

立会外分売とは、証券取引所の通常の取引時間外で行われる株式の売買を指す。この手法は、特定の株主が大量の株式を売却したい場合や、新規発行株の配分を希望する場合に利用される。通常の取引時間中に大量の株式を市場に出すと、株価に大きな影響を与える可能性があるため、これを避けるために立会外分売が活用される。具体的には、主に流動性の低い銘柄や、需給のバランスを考慮する場合に使用される。

実施の流れ

立会外分売の実施は、まず発行企業や売却を希望する株主が証券会社に依頼し、分売価格や分売数量が決定される。その後、証券会社は個人投資家や機関投資家に対して分売の募集を行い、応募が集まる。分売価格は、通常の市場価格よりも若干低めに設定されることが多く、これにより投資家が分売に参加しやすくなっている。最終的に、応募が完了すると、売却された株式が各投資家に分配され、取引が成立する。

メリットとデメリット

立会外分売のメリットとしては、通常の市場取引に影響を与えずに大口の株式売却が可能である点が挙げられる。また、個人投資家にとっては、市場価格よりも安価で株式を取得できるチャンスとなる。一方で、デメリットとしては、分売価格が市場価格より低く設定されることから、既存の株主にとっては株価が一時的に下落するリスクがある。また、分売の需要が少ない場合、分売が成立しないこともある。

立会外分売の例

立会外分売は、主に大手企業が新規発行株を既存の株主や新規の投資家に配分する際に使用される。たとえば、ある企業が新たな事業拡大のために資金を調達する場合、新規発行株を市場に出す代わりに、立会外分売を通じて投資家に株式を分配することで、市場への影響を最小限に抑えつつ資金を調達することができる。また、親会社が子会社の株式を売却する際にも、この手法が利用されることがある。

立会外分売のポイント

立会外分売に参加する際のポイントとして、分売価格が市場価格よりどれだけ低く設定されるか、また分売に対する需要がどの程度あるかを見極めることが重要である。需要が高い場合、分売価格が市場価格に近づくことがあるため、投資家にとってはより良い取引条件が得られる可能性がある。しかし、需要が低い場合には、希望する株式数が取得できない可能性もあるため、リスクとリターンのバランスを考慮することが求められる。

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