目的の国|カント

目的の国

目的の国とは、カントが理想とした道徳的共同体のこと。『道徳形而上学原論』で語られる。カントの「汝の人格ならびに他の人格における人間性を常に同時に目的として取り扱い、決して単に手段としてのみ取り扱わないよう行為せよ。」という理念のもと、共同体の各人が、すべての人格を手段としてではなく、常に同時に目的として尊重する理想的な人格の共同体である。カント自身、目的の国を理想のひとつとしたが、目的の国の実現を目指して現実の人間社会を向上させていかなければならない。

『道徳形而上学原論』カント

目的の国では、一切のものはカッ書くをもつかそれとも尊厳をもつか、ふたつのうちのいずれかである・・・人間に通有な一般的傾向と欲求とに関係するものは価格を持つ。また欲求をぜんていすることなくある種の趣味に適合するものは感情価をもつ。・・・道徳的原理およびこの原理を実現しうる人間性のみが尊厳をもつ唯一のものである。