湾岸戦争の兵器
湾岸戦争では、冷戦で飛躍的に軍事力を躍進させたイラクに対し、アメリカを中心とした多国籍軍の当時、最新兵器が使われたことにより、イラク軍を圧倒した。特に当時最先端のコンピューターが兵器の中に組み込まれて、ピンポイントで標的に向かうゲーム画面のような映像はニンテンドーウォーと呼ばれた。
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ニンテンドーウォー
湾岸戦争は、テレビ報道が過熱し、また当時最新のコンピューターが兵器に組み込まれ始めた時代背景から、多国籍軍の戦闘機が発射したミサイルや爆弾がイラク軍の標的に正確に命中する映像が連日、テレビで公開され、ゲームメーカーの任天堂にちなんで、「ニンテンドーウォー」とアメリカで呼ばれた。
長距離爆撃
アメリカ空軍の巨大爆撃機B52は、前日にアメリカ本土のルイジアナ州の地を飛び立ち、途中で何度も空中給油を受けながらイラクに接近し、ミサイルを発射した後、再びアメリカに戻るということを繰り返した。大西洋や地中海を越えての長距離爆撃を行い、イギリスやスペインのアメリカ軍基地からもB52が出撃した。
ステルス爆撃機
アメリカ軍はレーダーに映りにくいステルスの爆撃機・戦闘機を導入し、イラク軍のレーダー基地、通信施設、発電所、変電所を攻撃した。イラク軍は数時間で、情報手段を失い、多国籍軍の状況を完全に喪失した。それ以後、イラク軍は、クウェートにいる軍隊に対する命令を、片道二日かけて届けるという事態となった。多国籍軍は、その後、1ヵ月以上にも及ぶ空爆を行い、イラク軍の戦闘機、ミサイル、戦車などを一掃した。
ピンポイント攻撃
コンピューターが兵器に組み込まれ、正確に目標に狙撃されるようになり、攻撃をピンポイント攻撃という。湾岸戦争当時に使われ始めたが、実際には、軍事施設の近くにある民間施設の誤爆も頻発していた。
サイバー攻撃
湾岸岸戦争では、当時、比較的新しい戦術であった、コンピュータウイルスによるサイバー攻撃が行われていた。アメリカとイギリスの情報機関が合同で行い、イラク軍が使用してるコンピュータを割り出し、ヨルダンにてアメリカCIAがイラク軍に納入されるコンピュータにウイルス感染させた。イラク軍がこのコンピュータを利用するとイラク軍すべてのコンピュータが汚染され、指揮命令系統を破壊する予定であったが、初日のアメリカ軍の空爆により破壊され、作戦は失敗に終わることになる。