新人|ホモサピエンス,芸術と物語が始まる

新人(ホモ=サピエンス)Homo sapiens

新人(ホモ=サピエンス)とは、更新世末期(約4万~1万年前)に出現した化石人類である。現代人と同種に属する。精巧な打製石器・骨角器を使用し、狩猟・漁労が発達した。特にこの頃から芸術が生まれ、言語の発達から物語が作られるようになり、文化的な行為が生まれた。この能力が文明の発明につながる。新人はクロマニョン人・周口店上洞人などに代表される。

目次

ホモサピエンス

ホモサピエンスは、20万年前、アフリカに現れたが、骨格や顔の形、あごなど、現代の人間とほとんど同じである。更新世末期(約4万~1万年前)にはホモサピエンスの数を増し、アフリカからヨーロッパに渡ったと考えられている。旧人に比べて環境への適応力をもっていた。

世界への拡大

ホモサピエンスは長い歴史をかけて地球へ拡散していった。アフリカから始まりヨーロッパに、また一部は中国南部から、1万年前までは、地球の寒冷化で海水面が低く、ほぼ陸続きであったオーストラリア大陸に渡った。酷寒のシベリアまで広がり、ベーリング海峡も陸続きであったためにアメリカ大陸へも渡っていった。

後期旧石器

新人の石器をつくる技術は非常に進歩し、後期旧石器の時代が始まる。ひとつの石核からたくさんの石刃をとる石刃技法が広く各地で発達し、各種の石器が多様な目的に応じてつくられた。小形石器に加え、低温でも強さが変わらない骨や角が用いられはじめ、槍・銛もり・釣針つりばり・針などの細かく鋭い骨角器がつくられた。地域ごとに特色を示すようになった。

社会性

石器だけでなく、網なども作られ、従来なかった生活技術が導入された。社会的なコミュニティを作り、集団墓地を営んだ。コミュニティが形成されると、グループで同族意識をもつようになり、他のグループとの争いや交易が行われるようになった。世界各地に新人が分布するようになり、人種が分かれるようになった。

クロマニョン人

クロマニョン人(Cro-Magnonman)は、1863年南フランスのクロマニョンで発見された新人である。約3万年前に出現した。フランスやスペインに多くの居住の証拠を残している。西南ヨーロッパに住み、洞穴絵画を残し、弓矢を発明した。

周口店上洞人

周口店上洞人は北京原人が発見された洞穴の上の竜骨山の洞穴から発見された新人である。6万-5万年前に現れた。

グリマルディ人

グリマルディ人は北西イタリアで発見された新人である

浜北人

1961年静岡県浜北で発見された新人を、浜北人と呼ばれる。

ジャワ原人と新人の共存

アフリカの新人の骨のなかには10万年前のものがあり、ジャワ島のそれは12万年前のものだともいわれる。ある時期にネアンデルタール人と新人が共存していたことは確実で、DNAには交配がある。

芸術

原人では道具の使用、旧人では火の使用が行われたが、新人、ホモサピエンスにはいって芸術を行うようになった。

彩色壁画

彼らはまた最古の芸術というべきものを描いている。初めて彩色壁画を残し、石のヴィーナスと呼ばれる素朴な母神像がヨーロッパ全域からみつかっている。これらの芸術は、いずれもが豊饒や繁栄を祈る彼らの宗教的儀礼と不可分のものであったと思われる。なお、石のヴィーナスはオーストリアのヴィレンドルフ出土のものが名高い。

屈葬

埋葬の仕方は綿密になり、屈葬(くっそう)をおさめている。

クロマニヨン人の洞窟画

フランスのラスコー・ニオー、スペインのアルタミラが有名で、彼らの洞窟画は南西フランスとスペインに集中している。野生・トナカイ・象・馬・鹿・熊・サイ・狼などの動物画が多く、狩猟の成功を願う呪術的な生品と考えられる。それだけではなく、動物の仮面を角をつけて狩りの成功を祈っている姿の祈祷師(シャーマン)らしい人物像、男女のシンボルや人の手形なども描かれている。また描かれる動物の種類が洞窟内の場所によってことなったり、手形には指を欠いているものがあるなど、彼ら独特の宗教意識がそれらにこめられていたことが推測される。これらの壁画は暗く、入りこむのに困難な洞窟の奥深くにも描かれており、クロマニョン人たちが楽しむ芸術ではなかった。

オーカー

南アフリカのホモサピエンスの化石がある洞窟に、オーカーと呼ばれる赤い石が発見されたが、そこにデザインと思われるキズが発見された。現在、最古の芸術と考えられている。また、付近の洞窟からは貝を使った首飾りが発見された。


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