敵対的買収
敵対的買収とは、企業が自らの意向に反して、別の企業によって買収されることを指す。通常、買収対象企業の経営陣や株主がその買収を望まない場合に発生する。このような買収は、企業の経営陣や株主の同意を得ずに行われるため、「敵対的」と呼ばれる。
敵対的買収の特徴
敵対的買収には、以下のような特徴がある。
- 経営陣の反対:買収対象企業の経営陣が、買収を反対する場合が多い。経営陣が買収を望まない理由には、企業戦略の違いや経営権の喪失などがある。
- 公開買付け:敵対的買収では、買収者が株式を公開買付け(TOB: Takeover Bid)を通じて取得し、企業の支配権を握ることが多い。
- 抵抗策:買収対象企業が抵抗策を講じることがある。これには、ポイズンピル(毒薬条項)やホワイトナイト(友好的な第三者による買収)などが含まれる。
敵対的買収のメリット
敵対的買収には、買収者にとって以下のようなメリットがある。
- 成長機会の獲得:買収によって、迅速に市場シェアを拡大したり、技術力や人材を獲得することができる。
- コスト削減:スケールメリットを活かし、経営効率を向上させることで、コスト削減を実現することができる。
- 競争力の強化:競争相手の買収によって、業界内での競争力を強化し、市場での優位性を確保する。
敵対的買収のデメリット
敵対的買収には、以下のようなデメリットがある。
- 経営の不安定化:買収対象企業の経営陣や従業員の反発を招き、企業の運営が不安定になる可能性がある。
- 高額な買収コスト:敵対的買収では、買収価格が高く設定されることが多く、コストが大きくなる場合がある。
- レピュテーションリスク:敵対的買収は、買収者の企業イメージや社会的評価に悪影響を与えることがある。
敵対的買収の防御策
企業は敵対的買収に対抗するために、いくつかの防御策を講じることができる。
- ポイズンピル:敵対的買収者の持ち株比率が一定以上になると、既存株主に株式を割安で発行することで、買収者の持ち株比率を希薄化する手法。
- ホワイトナイト:友好的な第三者企業に対して買収を依頼し、敵対的買収者から企業を守る手法。
- ゴールデンパラシュート:経営陣に対して、買収が成功した場合に高額な退職金を支払う契約を結ぶことで、買収者のコストを増加させる手法。
敵対的買収と友好的買収の違い
敵対的買収と友好的買収の違いは、買収の意向と手法にある。友好的買収では、買収対象企業の経営陣と株主の同意を得て、協力的に進められる。一方、敵対的買収では、経営陣や株主が反対するにも関わらず、外部の買収者が強引に進める場合が多い。このため、敵対的買収はより対立的なプロセスを伴う。