手じまい(金融)
手じまい(金融)とは、投資や取引を終了することを指す。具体的には、保有している金融商品やポジションを売却または決済する行為であり、利益を確定させるためやリスク管理のために行われる。手じまいは、個人投資家だけでなく、プロのトレーダーや金融機関でも広く行われている。
手じまいの目的
手じまいには、以下のような目的がある。
- 利益確定:投資した金融商品が一定の利益を上げた場合、手じまいを行うことでその利益を確定させる。
- 損失の回避:市場の動向が不利に変化した場合に、さらに損失を拡大しないようにするために手じまいを行う。
- リスク管理:ポートフォリオ全体のリスクを管理するために、特定のポジションを減らすことを目的として手じまいを行う。
- 資金の再配分:手じまいを通じて得た資金を、より有望な投資先に再配分することを目的とする。
手じまいの方法
手じまいを行う方法には、以下のようなものがある。
- 売却:保有している株式や債券、商品などを市場で売却し、ポジションを解消する。
- 決済:デリバティブ商品(例:先物、オプション)のポジションを決済し、取引を完了させる。
- ロールオーバー:満期が近いポジションや契約を新たなものに交換し、リスクや資産の管理を行う。
手じまいのタイミング
手じまいのタイミングは、以下の要素によって決定されることが多い。
- 市場の動向:市場のトレンドやニュースによって、手じまいのタイミングが判断される。例えば、価格が予想以上に上昇した場合に利益確定のために手じまいを行う。
- 目標達成:事前に設定した利益目標や損失制限に達した場合に手じまいを行う。
- リスク管理:ポートフォリオ全体のリスクが許容範囲を超えた場合に、リスクを減らすために手じまいを行う。
手じまいの注意点
手じまいを行う際には、以下の注意点がある。
- 市場の流動性:売却や決済を行う際には、市場の流動性を確認する必要がある。流動性が低いと、意図した価格で取引が成立しないことがある。
- 税金の影響:手じまいによって得た利益に対して、税金が発生する可能性があるため、税金の影響を考慮する必要がある。
- タイミングの選定:市場の動向や経済ニュースを踏まえて、適切なタイミングで手じまいを行うことが重要である。
手じまいと利確・損切りの違い
手じまいは、保有ポジションを終了する一般的な行為であり、利確(利益確定)や損切り(損失限定)はその具体的な目的に応じた手じまいの方法である。利確は利益が出ているポジションを終了することを意味し、損切りは損失が発生しているポジションを終了することを意味する。手じまいはこれらの行為を含む広い概念である。