引き受け|証券会社が新規発行証券を購入し、発行者の資金調達をサポートする

引き受け

引き受けとは、主に金融市場において、新規発行される株式や債券などの有価証券を、証券会社や金融機関が発行者に代わって購入し、その後、投資家に販売する行為を指す。引き受けは、企業や政府が資金調達を行う際に、新規発行する証券が市場にスムーズに流通するための重要な役割を果たす。引き受け業務を行う証券会社や金融機関を「引き受け会社」と呼ぶ。

引き受けの仕組み

引き受けの仕組みでは、企業が新たに株式や債券を発行して資金調達を行う際、引き受け会社が発行される全ての証券を購入し、それを市場に転売する。引き受け会社は、発行者が確実に資金を調達できるように保証する役割を担う。これにより、発行者は市場の状況に関わらず、必要な資金を調達できる。

引き受けの種類

引き受けには、主に以下の2つの種類がある:

  • 全額引き受け(スタンドバイ引き受け):引き受け会社が全ての新規発行証券を一旦購入し、リスクを負いながら市場に転売する方法。発行者は確実に資金を調達できる一方、引き受け会社は市場で証券が売れ残るリスクを負う。
  • ベストエフォート引き受け:引き受け会社が新規発行証券を全て購入するのではなく、販売可能な範囲で市場に流通させる。証券が売れ残った場合、その分は発行者に返却されるため、引き受け会社がリスクを最小限に抑えられる。

引き受けの目的

引き受けの目的は、企業や政府が必要な資金を効率的に調達することにある。引き受け会社が証券の購入を保証することで、発行者は不確実な市場環境でも確実に資金を調達できる。また、引き受け会社の専門知識を活用し、市場での需要に応じた適切な価格設定が可能となる。

引き受けのメリット

引き受けには以下のメリットがある:

  • 資金調達の確実性:全額引き受けの場合、発行者は市場状況に関係なく確実に資金を調達できる。
  • 価格設定のサポート:引き受け会社が市場の需要を評価し、適切な価格で証券を販売するため、効率的な資金調達が可能となる。
  • リスク分散:引き受け会社がリスクを負うため、発行者は市場の不確実性による損失リスクを回避できる。

引き受けのデメリット

一方で、引き受けには以下のデメリットもある:

  • 引き受け手数料の発生:引き受け会社に支払う手数料が発行者のコストとなる。特に全額引き受けでは、リスクを取る引き受け会社が高い手数料を要求することがある。
  • 引き受け会社のリスク:全額引き受けの場合、引き受け会社は市場での販売がうまくいかないリスクを負う。

引き受けと市場の関係

引き受けは、株式や債券がスムーズに市場に流通するための重要な役割を果たす。引き受け会社が市場の需要やトレンドを正確に把握することで、適切な価格で証券を販売でき、投資家にとっても魅力的な投資機会を提供できる。

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