卑属
卑属(ひぞく)とは、法律や系譜において、特定の個人を基準としてその下の世代に位置する親族を指す言葉である。具体的には、子、孫、曾孫などが卑属に該当する。この概念は、相続や親族関係に関する法律上の手続きで使われ、被相続人を基準として、その財産を受け継ぐ権利を持つ者の範囲を定める際に重要となる。卑属は、直系尊属(親、祖父母など)とは対照的な概念である。
卑属の範囲
卑属の範囲には、子や孫、曾孫といった直系卑属が含まれる。直系卑属とは、血縁関係が直接的に続く子孫を指し、相続権においては重要な位置を占める。また、養子も卑属として扱われるため、法律上、実子と同等の相続権を有する。卑属が存在しない場合には、相続権は尊属(親、祖父母など)に移る。
卑属と相続法
相続法において、卑属は被相続人の財産を優先的に相続する権利を持つ。日本の民法では、相続順位が定められており、卑属が最優先の相続人とされる。卑属が複数いる場合、相続財産は平等に分割される。また、卑属が相続開始時にすでに死亡している場合、その卑属の子、つまり孫が代襲相続することになる。
卑属と代襲相続
代襲相続とは、相続人が相続開始時に死亡している場合、その相続人の子(卑属)が代わって相続する制度を指す。たとえば、被相続人の子が相続前に死亡している場合、その子の子(つまり被相続人の孫)が相続権を引き継ぐ。このように、卑属は相続の中で代々権利を受け継ぐ重要な役割を果たす。
卑属と尊属の違い
卑属は、子や孫などの下の世代を指し、尊属は親や祖父母など上の世代を指す。卑属は相続において、尊属よりも優先的に財産を相続する権利を持つ。これは、直系の子孫が財産を継承し、次世代に引き継ぐことを重視する法律的な考え方に基づいている。
卑属と法定相続分
日本の民法における法定相続分では、卑属は相続人として最も高い優先順位を持ち、配偶者とともに財産を分割相続する。子供が複数いる場合、それぞれの子供に均等に相続分が割り当てられる。代襲相続が発生した場合も、同様に均等な分配が行われる。