五賢帝
五賢帝はネルウァからマルクス=アウレリウスにいたる、ローマ帝国最盛期の5人の皇帝である。彼らが活躍した約200年はパクスロマーナと言われ、安定した政権を維持し、平和な時代を過ごした。
Table Of Contents
五賢帝
- ネルヴァ
- トラヤヌス
- ハドリアヌス
- アントニヌス=ピウス
- マルクス=アウレリウス=アントニヌス
ネルヴァ
ネルヴァ(在位96~98)は、五賢帝の最初の皇帝とされる。養子トラヤヌスに全権を委任した。
トラヤヌス
トラヤヌス(在位98~117)は、スペイン出身で、初の属州出身の皇帝となった。ダキア(現在のルーマニア)を属州とし、パルティアを破り、一時メソポタミアを征服するなど、ローマ帝国の最大の領土を達成した。
ハドリアヌス
ハドリアヌス(在位117~138)は、トラヤヌス帝時代の対外積極策から内政整備と辺境防衛に目を向け、ブリタニアにハドリアヌスの長城を築くなどのインフラを整備した。ローマ帝国の各地を巡り、属州の発展に努めた。
アントニヌス=ピウス
アントニヌス=ピウス(在位138~161)は、貧民救済事業とローマの財政改革に努めた。
マルクス=アウレリウス=アントニヌス
マルクス=アウレリウス=アントニヌス(在位161~180)は、五賢帝の最後の皇帝である。異民族の侵入に苦慮し、治世の多くを遠征先で過ごし、陣営で病没した。ストア哲学を学び「哲人皇帝」と呼ばれ、『自省録』を著した。『後漢書』の大秦王安敦とされる。