上場廃止
上場廃止(Delisting)は、企業の株式や証券が証券取引所の上場から除外されることを指す。上場廃止は、証券取引所の規則や基準に従って実施され、企業の株式が公開市場で取引できなくなる。上場廃止は、企業の財務状況、ガバナンス、規制違反など、さまざまな理由で発生する。
上場廃止の主な理由
- **財務状況の悪化**: 企業の財務状況が著しく悪化し、証券取引所が定める財務基準を満たさない場合、上場廃止となることがある。例えば、連続して赤字が続く場合など。
- **規制違反**: 取引所の規則や法律に違反した場合、例えば虚偽の財務報告や内部統制の不備があった場合に、上場廃止が行われることがある。
- **経営不振**: 経営が不振で、企業の事業継続能力に疑問が持たれる場合、上場廃止の対象となることがある。
- **合併や買収**: 企業が合併や買収されることにより、上場廃止となることもある。特に買収企業が非公開企業である場合など。
上場廃止のプロセス
- **警告通知**: 取引所は、上場基準を満たしていない企業に対して警告通知を行う。この通知には、改善のための期限や条件が示される。
- **改善の機会**: 企業には、上場基準を満たすための改善策を講じる機会が与えられる。通常、一定の期間内に基準を回復することが求められる。
- **最終通知**: 改善が不十分な場合、取引所は最終通知を発出し、上場廃止の決定を通知する。
- **上場廃止の実施**: 上場廃止の決定が実施されると、企業の株式は取引所での取引から除外され、通常は店頭取引や他の取引市場に移行する。
上場廃止の影響
- **流動性の低下**: 上場廃止後、株式の取引は限られた市場や店頭取引市場で行われることが多く、流動性が低下する。
- **株価の変動**: 上場廃止の発表や実施により、株価が急激に変動することがある。
- **投資家への影響**: 投資家は、株式が取引できなくなるため、資産の流動性や価値に影響を受けることがある。
- **企業のブランドイメージ**: 上場廃止は、企業のブランドや信頼性に対してネガティブな影響を与えることがある。
上場廃止の防止策
- **財務の健全性維持**: 企業は定期的に財務状況をチェックし、上場基準を満たすよう努める。
- **内部統制の強化**: 適切な内部統制を維持し、規制違反を防ぐための対策を講じる。
- **早期の対応**: 警告通知を受けた場合には、早期に改善策を講じ、上場基準を回復するための措置を取る。