ラテン文学
ラテン文学は、古典ラテン語で書かれた文学の総称である。ローマ人はギリシア文字からローマ字をつくり、その言語であるラテン語もローマ帝国に普及した。しかし、文学の発達は伸び悩み、カエサル以降、アウグストゥス時代にラテン文学が流行する。
共和政ローマ
共和政ローマの文学作品は、大カトー(前234~前149)の『農業論』、ルクレティウス(Lucretius)(前94頃~前55頃)の教訓詩などに限り、多くはギリシア文学の翻訳にとどまっていた。
キケロ
共和政ローマの終わり、修辞家、政治家であるキケロが輩出され、多くの散文の作品を残している。法廷弁論や政治家への書簡などは、生彩あるローマ史の史料として現代にも伝えられている。
ヴェルギリウス
ヴェルギリウス(前70ー前19)がローマ帝国の建国についた伝説を唄った叙事詩『アエネイス』は、ラテン文学の最高傑作とされ、皇帝アウグストゥスに賛美された。
ホラティウス
ホラティウス(前65~前8)はローマで活躍した叙情詩人である。平和の到来を優美な抒情詩で称えた。代表作は『叙情詩集』である。
オヴィディウス
オィディウス(前13~後17頃)は叙情詩人である。神話や人間の性を描いた。アウグストゥスに流刑に処され、没した。代表作は『転身譜』『愛の歌』である。