ポスト構造主義|デリダ、リオタールらによる新しい現代思想

ポスト構造主義

ポスト構造主義について、ポストとは後という意味で、構造主義が勃興してから終焉が叫ばれるようになった背景から、ポスト構造主義とは、構造主義を乗りこえる思想家の立場を目指す。名前からわかるようにポスト構造主義者すべての共通する、積極的な概念はなく、新しい試みを実施する人々を称してポスト構造主義と呼ぶ。

ジャック・デリダ

ジャック・デリダ

20世紀前半のフランス哲学事業

20世紀前半、ベルクソンで絶頂を迎えたフランス哲学は、ベルクソンの引退とともに、下火になっていく。特異なヘーゲル解釈を展開した哲学者コジェーヴや、フッサール現象学を学んだサルトルメルロ=ポンティの活躍により、再び世界の哲学界の先頭を走ることになる。

構造主義の勃興

サルトルメルロ・ポンティが活躍しているその頃、レヴィ=ストロースジャック・ラカン、さらにはルイ・アルチュセールによって構造主義が勃興し、1950年代から、1960年代にかけて盛んになっていく。

ポスト構造主義の勃興

1960年代のおわりごろ、それ自体で完結した共時的なものとしての構造の分析を主題とする構造主義は、生成や変化といった、<いま・ここ>で進行しつつある出来事をあつかいえないものとして批判されるようになった。この状況の中で構造主義に変わる思想が求められ、構造主義の次の思想、ポスト構造主義が求められるようになる。

ポスト構造主義者

ポスト構造主義の筆頭はデリダジルドゥルーズがあげられる。ポスト構造主義という名前からもわかるようにそのレッテルが示すところは、非常に曖昧であり、社会学のボートリアールや哲学者リオタールもポスト構造主義としてあげられるが、彼らに共通する主義があるわけではない。なお、アルチュセールや、ロランバルト、フーコーなどもあるときは構造主義と説明され、またあるときはポスト構造主義にも数えられる。

リオタールのポスト構造主義の解釈

リオタールによれば、近代(モダン)の社会で大きな役割をはたしてきた革命や進歩という歴史全体の意味や構造を説く「大きな物語」が力を失われた。そのような近代(モダン)の後の時代に生まれた思想がポストモダンであり、構造主義の後に生まれたポスト構造主義も、その一つといえる。

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